「しまむにサロン」開催

録音機の前で方言の聞き取り調査の練習をする参加者ら=4日、知名町中央公民館=

方言習得と記録者育成へ 知名町中央公民館講座

【沖永良部】2022年度知名町中央公民館講座「しまむにサロン」が5月から始まっている。来年3月まで全11回開催する予定。「市民科学者の育成」をテーマに沖永良部方言の習得と、方言の辞書作りに向けた記録者の育成を目指す。

講座は2019年に開設。国立国語研究所の山田真寛さんと東京外国語大学の横山晶子さんの2人が講師を務める。今年度の受講生は23人。

4日は、山田さんが来島し、第2回目の講座を開いた。横山さんはオンラインで参加した。

最初に「みなさんにとっての方言とは何か」について考えた受講生は「方言は宝。生きている間は使っていきたい」「標準語では伝えきれない微妙な気持ちを方言だと伝えられる」「聞くことはできても話すことはできないので、暗号のような不思議な言葉」と答えた。

続いて、方言の聞き取り調査の仕方を講師が指導。参加者は2人1組となって練習を行い、片方が「『あたま』は、方言で何と言いますか」と質問すると、回答者が「ちぶる、ちぶる」と答えた。そのやりとりを単語を変えながらボイスレコーダーで収録していった。

受講生の前田ゆり香さん(43)は「同じ意味の方言でも集落によって発音が違うことがあるので、録音機を使って残すのは大事。将来は家族と方言で日常会話ができるようになりたい」と話した。

講師の横山さんは「方言の記録は労力とお金がかかる作業。地域の人が調査できるようになれば、集落に残っている言葉を文字と音声で残せる。さらに、調査する人も勉強になるので、方言の継承にもつながる」と語った。