県議会一般質問

公立学校56人の教員不足
確保策、臨時・特別免許状授与も
配合飼料上昇 自給飼料増産が重要課題

 6月定例県議会は9日から一般質問に入り、同日は成尾信春議員=公明党、鹿児島市・鹿児島郡区=、郷原拓男議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=、宝来良治議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、藤崎剛議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。教育問題で教員不足に関する質問があり、県内の公立学校では合計56人の教員不足が生じていることが明らかになった。教員確保へ県教委は臨時免許状、特別免許状授与の取り組みも進めている。

 東條広光教育長の答弁によると、教員不足の現状は今年5月1日時点で小学校15人、中学校32人、高校6人、特別支援学校3人。欠員を補充するため市町村教委や学校と連携しハローワークへの求人、県内外大学への情報提供依頼などを進めているものの、小中学校でここ数年、特別支援学級の増加などに伴って新規採用者を増やしたことから、臨時的任用教員勤務者が正規教員として採用され、必要な臨時的任用教員の確保が難しい状況となっている。

 東條教育長は「例えば高校の普通免許を有する方に小学校の臨時免許状を授与したり、教員免許状を有していないものの英語検定の資格など教科に関する専門的な知識を有する方に特別免許状を授与したりして、必要な教員の確保に努めたい」と述べた。

 教員の負担軽減を目的とした教員業務支援員や部活動の外部委託状況も取り上げられた。答弁によると、今年度、授業で任用する教材等の印刷や物品等の準備などをする教員業務支援員は9市の小中学校に48人配置。教職員課によると、奄美市の小学校1校(1人)にも配置されている。バレーボールや卓球、剣道など技術的な指導を行う部活動支援員は9市町の中学校に30人程度配置する方針。保健体育課によると、奄美群島では与論町の中学校に配置されている。部活動支援員の配置により「生徒が専門的な指導を受けられるようになった」との意見の一方、「地域での人材確保が難しい」「市町村負担の費用の確保が難しい」といった課題も寄せられていることが報告された。

 肥料・飼料価格高騰の現状と支援対策に関する質問があり、松薗英昭農政部長が答弁。配合飼料価格は2021年1月以降上昇しており、21年度第3四半期では前年同期の2割増のトン当たり8万423円となった。価格上昇による畜産経営への影響を緩和するため国は配合飼料価格安定制度を措置しており、20年度第4四半期以降、5期連続交付されている。松薗部長は「飼料価格の変動などリスクを減少させるためには自給飼料の増加が重要な課題」と指摘。県では飼料畑造成による飼料生産基盤の確保、水田利用による飼料用イネの生産拡大、コントラクターによる飼料生産の外部化推進に取り組んでいるとした。

 新型コロナウイルス感染症の後遺症(倦怠感や息苦しさ報告)対策に関し、房村正博・くらし保健福祉部長は「コロナ相談かごしま」の相談状況を説明。20年8月6日の設置以降、今年4月末までに約9万4千件の相談があり、このうち後遺症に関する相談は80件。相談内容は後遺症専用外来や受診可能病院に関する相談が多いとした。