SNS「風のうわさ」拡散

「風のうわさ」で母校のガジュマルの前に集った同窓生たち(右端は田子山校長)=7日、天城町岡前小

自由参加〝プチ全国同窓会〟
天城町岡前小卒57年生ら「ふるさとに元気を」

 【徳之島】53年前に天城町立岡前小学校を卒業した同窓生「昭和32(1957)年生」たちが7日正午、SNSを通じた「風のうわさ」に誘(いざな)われ母校に集った。実行委員会も行動計画も白紙の〝プチ全国同窓会〟のキーワードは「いゃ~たるが?(あなたはだれ?)」。半世紀ぶりの再会劇も交え、自由気ままなふるさとの集いで旧交を温めた。

 一般的な〝定年年齢〟や高齢者定義の仲間入りなど節目を迎えた65歳(年度末年齢)の面々。その同窓生たちの一部はSNSの「ライン・グループトーク『徳之島』」(同窓会ネットワーク、29人登録)を通じ、互いの近況を報告し合うなど交流している。

 新型コロナウイルス感染症の影響が2年余に及ぶなか、プチ全国同窓会の発端は、同トーク仲間の「ふるさと徳之島もコロナ禍で疲弊。『風のうわさ』を聞いて集まれる人たちだけでふるさとに元気を」などつぶやきだった。

 全国同窓会の類(たぐい)は通常、1年以上前に実行委を立ち上げて綿密に計画される。同窓生の居住地調査の苦労を乗り越えての旅行日程の決定、案内状(出欠連絡)の発送となるが、今回は集合時間と場所のみをつぶやき〝一切白紙〟。懇親会会場なども「当日話し合う」という〝フリースタイル〟だった。

 そして正午の岡前小には島外(関東・関西・中京・九州地区)組10人と島内組との計16人が集った。後輩児童たちへの激励エールを綴った短冊もつるした七夕飾り2本を持参。田子山ゆかり校長が「現在の児童数は146人。健やかに元気で明るく学んでいます」など説明。在学当時の体育館やシンボルツリー(ガジュマルとセンダン)に思い出を探った。

 東京都昭島市在住の保険代理店アドバイザー・森田善文さん(64)は「仕事や台風の影響で帰る機会が少なかった。元気なうちにと参加。中学(北中)卒業いらい50年ぶりの再会にも感動。参加してよかった」。

 熊本県菊池市在住の行政書士・前田浩規さん(65)は「5年前に計画した全国同窓会は台風で中止となり、49歳時(鹿児島会場)以来16年ぶり。お互いが無理をせずに〝七夕の織姫と彦星〟のように〝風のうわさ〟からの拡散に委ねた。(ICT時代は)こういうのもアリでは?」ともつぶやいた。

 夜は町内のホテル宴会場を飛び込み予約。学校に集合できなかった島内在住の同窓生らも交えて旧交を温めた。