「奄振」延長へ活発な意見が交わされた会合であいさつする井上東京奄美会会長
【東京】鹿児島県は6日、千代田区平河町で「2022年度奄美群島振興開発総合調査・東京奄美会等意見交換会」を開催した。会合には関係者約20人が参加。23年度末に期限を迎える「奄振」延長に向けて、活発な意見を重ねていた。
都道府県会館会議室で行われた意見交換会には、県東京事務所、奄美群島広域事務組合、奄美市東京事務所から関係者が出席。東京奄美会からは井上脩士会長、泰良宗男幹事長らのほか、同会に所属する各郷友会の会長らが参加した。西正智県地域政策総括監、井上会長のあいさつに続いて、離島振興課が「奄美群島の現状や課題、これまでの奄振事業の成果」などを概要説明した。
「公共、非公共の比率は今後どうなるのか」「奄美の生活保護率が突出している。奄振だけに頼らず、雇用の充実を」。など東京奄美会からの意見に対し、県は「非公共が年々増えていくだろう」「将来的に自立していただく制度設計が求められるのでは」と回答。ほかに、Iターンの受け入れ態勢、住居問題を指摘する声もあった。
その後「各郷友会の活動、出身者が奄美群島の振興に果たすことができる役割」と称した意見交換会へ。「本土の人たちを連れて民泊を利用した旅行」「校区会の充実」「ネットを利用した郷土の情報配信」など各郷友会から実績が述べられ、青年部の音楽フェス、女性部の渋谷・鹿児島おはら祭やハワイでの大島紬を通じた交流も報告された。17年以来、5年ぶりに行われた東京奄美会との意見交換会は、奄美群島を思う熱気あふれる雰囲気に。「自然を生かすお金の使い方を」「人材育成こそ優先して」との注文もあり「われわれの、この意見をぜひ生かしてほしい」の井上会長に「(国と)しっかりと連携してやっていきたい」と県は受け止めていた。15日には、鹿児島県庁7階会議室で鹿児島奄美会等を対象に、同様の会議が行われる予定となっている。