「世界自然遺産センター」内覧会

135種類の動植物のジオラマで「シイの森」を再現した展示室

26日オープン 映像・音響・ジオラマで再現

奄美市住用町の「奄美大島世界自然遺産センター」オープンを前にした15日、報道関係者向けの内覧会が同施設内であった。同センターは世界自然遺産登録から1周年目の26日にオープン。午前中に記念式典があり、午後から一般公開される。運営担当者者の山根篤大さん(環境省)と岡村学さん(奄美市世界自然遺産課)が、館内のメインとなる展示物などを案内した。

同施設は「黒潮の森マングローブパーク」の敷地内に位置し、延べ床面積約610平方㍍の木造平屋建て。2019年度から基本設計に着手、22年6月に完成した。環境省(奄美群島国立公園管理事務所)、奄美大島5市町村、鹿児島県、㈱SQ(物販事業者)―からなる「同センター管理運営協議会」が運営する。

エントランスホールには、島内インフォメーションのマップと物販コーナー。壁面には、「自然の成り立ち」を解説したミロコマチコ氏のイラストを掲示。

「奄美大島の森と生き物を、実際にフィールドを歩いているように体感・観察できる」がコンセプトの展示場では、「シイの森」を再現。映像や音響装置を駆使し、生き物の鳴き声や雨音・四季を通じた森の変化を、15分ごとに昼と夜で表現する。

壁面5カ所には大型スクリーンを設置し、森林や朝夕の空の移り変わりが、高さ5・5㍍、幅11・5㍍(190インチ)の巨大スクリーンに映し出される。

また、奄美に生息する動植物135種類のジオラマを展示。エリアごとに移動式の「虫メガネ」を設置し、日本語以外にも英語・中国語・韓国語などの説明音声が流れる。

山根さんは「世界自然遺産地としての奄美大島の情報発信。環境保全の普及啓発の拠点として、島内外の人に気軽に奄美の自然を体感して欲しい」と、オープン間近の同センターへの期待を述べた。

26日の一般公開と並行し、同マングローブパーク駐車場では「島の環境文化を未来へ」と題したイベントも開催される。