ウミガメの産卵上陸地点を観察する花徳小3・4年生たち=15日、徳之島町「花徳浜」
【徳之島】徳之島町立花徳小学校(佐々木恵美校長)の3・4年生17人の「ウミガメ生態調査」が15日午前、学校近くの「花徳浜(通称・フンニャトウ浜)」であった。エコツアーガイドの案内でウミガメの産卵上陸の痕跡や特徴を子どもたちの視点で学習。世界自然遺産の島を構成する「豊かな海」を守る心を育みあった。
同活動は、総合的な学習の時間の環境学習として「SDGs(持続可能な開発目標)14番目の目標『海の豊かさを守ろう』」にも絡めた。講師には徳之島エコツアーガイド連絡協議会副会長など務める政武文さん(69)が協力。児童たちは延長約2キロの花徳浜の約半分を歩き、ウミガメの産卵上陸の痕跡を観察した。
児童たちは、「足跡のそろったバタフライ型はアオウミガメ。クロール型はアカウミガメです」との明確な特徴にも驚嘆。そして、砂浜に岩石やゴミが多かったり、危険を感じたりすると産卵をしないで海に戻ってしまうこと。観察する際は刺激を抑える赤色灯(フィルム被覆)を使うことの理由にも納得の様子だった。
感想で、4年生の白浜多紋君(10)は「ウミガメは卵を100個ぐらい産むことが分かった。世界自然遺産になり、観光客がいっぱい来てゴミをポイ捨てすると、産卵しにくくなる。ゴミを拾って産卵しやすくしたい」。郷佳奈さん(9)も「ウミガメが産卵しやすいように、海をきれいにするボランティアには進んで参加したい」。
政さんは「全国的傾向と同じで花徳浜もここ数年、産卵上陸確認が減少している。産卵の観察は人気があるが、懐中電灯の光を直接当てないなどマナーを守り、来年も来てくれるよう温かく見守って欲しい」と話していた。