【準決勝・国分中央―大島】3回裏大島二死二三塁、8番・美島の左前適時打で二走・前山が生還、5点目を挙げる=平和リース
【鹿児島】第104回全国高校野球選手権鹿児島大会第15日は22日、鹿児島市の平和リース球場で準決勝2試合があり、大島が国分中央に7―0、七回コールド勝ちで初の決勝進出を勝ち取った。
大島は二回に1番・有馬の中前適時打で先制すると、三、六回と打線がつながって追加点を挙げた。エース大野は立ち上がりから快調に飛ばし、毎回の13奪三振で完封した。夏の奄美勢をはじめとする鹿児島の離島勢の決勝進出は初めて。
23日は休養日。最終日は24日、同球場で午前10時5分から鹿児島実―大島の決勝がある。
大島・塗木哲哉監督 前の試合で鹿児島実が決勝に進んで燃えるものがあったのだろう。決勝戦は甲子園で勝てるチームの野球をやりたい。(政純一郎)
全国高校野球選手権鹿児島大会準決勝で、国分中央高校に勝利し決勝進出を決めた大島高校。「夏の甲子園」出場まであと1勝と迫った同校の活躍に関係者らは、「よくここまで戦ってきた」と選手たちの健闘を称え、「もう一度甲子園の舞台に行ってほしい」とエールを送った。
無失点の7回コールド勝ちの結果に、同校の黒木哲二校長は「攻守ともにチームの持ち味をしっかり出せた戦いぶりで、選手たちも落ち着いてプレーしていた」と勝利を喜んだ。24日の決勝は、スタンドから応援する予定で、「昨年夏の準々決勝で敗れた鹿児島実業高校が相手。簡単に勝てる相手ではないと思うが、昨年の借りを返す気持ちで、選手たちには頑張ってほしい」と話した。
今年度から同校の同窓会「安陵会」の新会長となった山田摩理子会長(68)は、1998年から6年間、対戦相手の国分中央高校で教鞭をとったこともあり、「力を尽くして戦った両校の選手にエールを送りたい。大高(だいこう)の選手たちは、全員野球で素晴らしい戦いぶりだった。決勝も勝つことを信じて全力で応援したい」と話した。
センバツ大会出場のための募金活動などに尽力してきた安陵会の丸田卯禮男前会長(82)は「1回戦から1カ月近くホテルでの生活が続き、体力や精神的にも大変な中、よくここまで戦ってきた。準決勝は選手たちの強い気持ちが伝わってくる試合だった。甲子園まであと1勝。強豪の鹿児島実業の胸を借りるつもりで、最後まで自分たちの楽しむ野球を貫いてほしい」とエールを送った。
同校野球部OBの前里佐喜二郎安陵球児会会長(67)は、同校の硬式野球部として初出場した83年大会で、国分中央高校の前身だった国分実業高校と4回戦で対戦、敗れた記憶を思い出しながら「準決勝という舞台で再戦し、勝利した選手たちを誇らしく思う」と約40年越しのリベンジを果たした後輩たちの活躍を喜び、「3年生にとっては最後の夏。あと1勝して、もう一度甲子園の舞台に行ってほしい」と話した。