奄美大島・喜界島マンゴー品評会

今回は前回を4点上回る19点の出品があった奄美大島・喜界島マンゴー品評会の審査風景

喜界町が上位独占
平均糖度15度以上「非常にいい仕上がり」
最高の金賞、高岡果樹園

第8回奄美大島・喜界島マンゴー品評会(県園芸振興協議会大島支部主催)が3日、県農業開発総合センター大島支場会議室であった。両島の6市町村から前回より4点多い19点の出品があり、喜界町の高岡果樹園(高岡清信園主)が最高の金賞を受賞したほか、2人を選出した銀賞も同町の生産者となり、喜界町が上位を独占した。

両島におけるマンゴーの生産振興・銘柄確立と、生産者の技術向上を目的に2015年度から開催されている品評会。今回は奄美市6点、大和村・宇検村1点ずつ、瀬戸内町2点、龍郷町3点、喜界町6点の出品があり、審査は大島支場の尾松直志支場長を委員長に、同センターや大島支庁農政普及課、JAあまみ大島事業本部の果樹担当者らで実施。外観品質は果皮の着色・傷害・玉ぞろい、内容品質は糖度を審査項目に、金賞1点、銀賞2点、銅賞同の計5点を選出した。

審査結果発表・表彰式で、主催者を代表し園振協支部長の川越尚樹農政普及課長があいさつ。「開花期・結実期の3~4月、気温が全体的に不安定で開花にばらつきがあり、前年に比べ生産量は1割減が見込まれる」と説明。収穫・出荷時期に連続して台風(5・6号)が発生したが、作物への影響はほとんどなかったものの、定期船の欠航により流通面で二次的な影響が出たと報告した。

今回出品されたマンゴーの平均糖度は15・4度と高く、最高糖度は17・1度に達した。審査講評で委員長を務めた尾松支部長は「上手につくっており外観面は高い評価を受け、なかでも金賞は文句のつけようのない仕上がり。糖度の平均は宮崎県産のブランドマンゴーに匹敵する高さで、奄美産マンゴーの質の高さを示し、非常にいい仕上がりとなった」と高品質をアピール。上位3賞を喜界町が独占したが、レベルの高さを島内全体への波及を期待した。

金賞を受賞した高岡果樹園は、第1回目の品評会から3回目まで連続して金賞を受賞しており今回で4回目の金賞。栽培面積は約60㌃で、高岡さんは「県の普及員や町の指導員の技術指導のおかげであり感謝したい。肥培、かん水、換気といった管理面では妥協せずに決められたことの徹底を心掛け実践している」と語った。出荷面は大型冷蔵庫の共同利用により4~5日保管が可能で、島外出荷で船舶が欠航した場合でも影響を抑制している。また島内からの注文も多く地元消費に支えられているという。

出品物は地元報道機関のプレゼントキャンペーンに活用されるが、全体で約200件の応募があり、抽選で9人に発送される。

大島支庁農政普及課によると、両島の生産状況は22年産見込みで栽培面積20・2㌶、栽培戸数160戸、生産量は75㌧(前年産84㌧)を見込んでいる。

金賞以外の受賞者は次の通り(敬称略)。

銀賞=川村英幸(喜界町)、高木智之(同)▽銅賞=㈲奄美興島園・濱田弘興(奄美市)、あたり果樹園・中良弥(龍郷町)