峰岡さん中学生日本一

日本一の快挙に喜びの峰岡歩嬉(ほこら)さん
 

中学生で日本一、小学校高学年で3位と快挙の姉と弟。師匠の指宿桃子さんと

小中学生の「民謡民舞全国大会」
弟も小学高学年3位の快挙
奄美勢が大健闘

 【東京】小中学生の民謡日本一を競う「2022年度民謡民舞全国大会」(公益財団法人日本民謡協会主催)が6、7日にわたって台東区の浅草公会堂で開催された。中学生の部で峰岡歩嬉(ほこら)さんが、涙の日本一の栄冠に輝いた。奄美勢の中学生の優勝は、12年以来。弟の峰岡朋輝(ほうらい)さんも小学高学年で3位という快挙を達成した。また、低学年で原美波さんが準優勝に輝くなど、奄美勢は奮闘した。

 「まだ実感がありません」。中学生日本一の栄誉にも、峰岡さん(奄美芸能徳之島)=天城町立北中3年=は夢見心地だった。09年度に、中学生日本一になった森田美咲さんに憧れ、小学校2年生から始めたシマ唄。師匠は美咲さんの祖父・森田克巳さんだった。

 ところが中学1年冬に師匠を、中2の冬には曽祖母を失ってしまう。「応援してくれた二人には見せられませんでしたが、森田先生に引き続いて教えてくれた(指宿)桃子先生の前で日本一になれ、本当にうれしい」と熱いものが自然と頬を伝わった。小中を通じて5度目の挑戦だった。「よく頑張ってくれました」と母親のあかねさんが感心するほど、本番前の1週間は「(指宿)桃子先生と徹底的に追い込みました」。

 そして迎えたステージ。「むちゃ加那は、悲しい唄。歴史的なものなどを分かってもらえるよう心掛け、唄いました」。だが、本人の納得には程遠かった。本番直後、両親らの前で大粒の涙を流したヒロインだったが、大島紬で挑んだ舞台で発信した唄の心は、確実に審査員の琴線を揺らした。二人の師匠が得意だった「むちゃ加那」が、後押ししたのかもしれない。

 一方、弟・朋輝さんは「全力を尽くしました。来年は姉ちゃんと同じよう日本一を狙います」と誓っていた。「『ほこら』は、ほこらしゃから、『ほうらい』は、うれしいの方言から取ったのです」と母に命名された姉弟は「奄美を知ってもらうため、シマ唄でさらに頑張ります」と笑顔で会場をあとにした。

 また、初日(6日)は、原美波さん(あやまる会)が見事準優勝に輝いたほか、久保心春さん(同)が優秀賞と大健闘、7日の小学校高学年では新城琉花さん(同)が7位入賞した。