炎天下で稲刈り作業

刈り取った稲を束にして天日干しする

「油井の豊年踊り」用わら作り
瀬戸内町須佐礼地区 地域住民が汗流す

 瀬戸内町油井集落で7日、毎年恒例の稲刈りがあった。約200平方㍍の田んぼに黄金色に実った稲穂。炎天下、地域住民約30人が刈り取り作業に汗を流した。刈り取った稲わらは、県指定重要無形文化財「油井の豊年踊り」に使われる予定だったが、今年は中止が決定している。

 同集落・須佐礼地区の重野忠興さん(84)の田んぼで実施。1月27日の種まき、4月10日の田植えには油井小中学校の児童生徒も参加したが、この日の稲刈りはコロナ禍を考慮し地域住民のみの作業となった。「子どもたちが参加できなかったのは残念だが、たくさんの住民が集まってくれた」と垂野公哉教頭。

 住民らはたわわに実った稲を鎌でていねいに刈り取り、一束ずつひもでまとめ、作業は約1時間半で終了。束ねられた稲は毎年、油井小中学校校庭に干されるが、今年は重野さんの敷地内に天日干しされた。「油井の豊年踊り」に使用される貴重な稲わらとなる。

 永井卓郎区長(68)は「3年連続で豊年祭は中止になったが、伝統の『稲刈り』を今年も行うことができた。伝統を絶やすことなく来年以降も続けていきたい」と、収穫の喜びを話した。刈られた稲は28日に脱穀される。

 「油井の豊年踊り」は旧暦8月15日に、稲作作業を終え豊年を神々に感謝し祝う行事。例年、須佐礼地区で刈られた稲わらが使用されている。