奄美・沖縄航路欠航長期化か

鹿児島発の奄美・沖縄航路の定期船欠航が続く名瀬港

迷走台風、北上接近予想で
「一日でも早くも安全第一」

 台風11号は勢力の発達を繰り返しながら沖縄地方の南に位置しているが、この南下から一転して週末・週明けは東シナ海を北上、奄美地方や九州など西日本に接近する予想が出ている。進路が定まらない迷走台風の影響で8月末から続いている鹿児島発の奄美・沖縄航路の欠航は長期化する可能性がある。

 奄美群島の島々を結ぶ同航路は旅客・貨物を運送、なかでも貨物はコンテナに食料品などを積み込み、離島民の生活を支えている。定期船が欠航するとスーパーやコンビニなど小売店の品ぞろえに大きく影響、消費者が食料品などを購入できない品不足に陥る。

 同航路を運航するのはマルエーフェリーとマリックスラインの2社。定期船は2隻ずつ4隻体制で運航しているが、今月1日からマルエーの「波之上」がドック入り(13日まで予定)しており、現在は3隻体制となっている。

 台風11号接近に伴う欠航は、鹿児島発の下り便が8月30日(マリックスの「クイーンコーラルプラス」)からで、マルエーも31日の「あけぼの」が欠航した。那覇発の上り便はマルエーが30日夜に「波之上」を臨時便で運航したが、翌日の31日からは欠航(マリックス「クイーンコーラルクロス」)が続いている。

 定期船を運航する2社では、安全管理規定に基づき気象条件などから運航の可否を判断。航行中に風速25㍍以上、波高5㍍以上などに遭遇する可能性がある場合は運航中止(欠航)を判断しているほか、寄港する港の状況(名瀬港の場合は風速15㍍以上、波高2㍍以上で運航中止)によっても可否を判断しているという。

 2社は「テレビなどで伝えている離島のスーパーの品不足などから欠航の影響を認識している。一日でも早く動かしたいが、安全第一を理解していただきたい」と説明するとともに、台風の進路は今後北上が予想されることから「欠航が来週の半ばまで続くかもしれない。運航が再開できる条件になれば、しばらくは3隻体制が続くが2社で調整し臨時便の運航も検討していきたい」としている。