㈱ぐるなびが徳之島町に 「地域活性化起業人」派遣

㈱ぐるなびと徳之島町が「地域活性化起業人」派遣で協定(左から杉原社長、加東さん、高岡町長)

食文化と観光振興へ
役場新庁舎で調印式

 【徳之島】食に関する情報ポータルサイト運営など大手の㈱ぐるなび(本社・東京都千代田区、杉原章郎代表取締役社長)と、徳之島町(高岡秀規町長)は4日、総務省の「地域活性化起業人制度」を活用した『同起業人派遣に関する協定書』に調印。ぐるなびは社員1人を派遣(最長3年)。食資源の発掘・商品化を含む食文化の振興、観光分野の情報発信などを通じ、地域活性化に協力する。

 総務省の同人材派遣制度は、三大都市圏に所在する民間企業などの社員を一定期間受け入れ、そのノウハウを活用して地域独自の魅力や価値の向上、地域活性化を図る取り組みに対する特別交付税措置。条件不利地域や人口減少率の高い市町村などが対象。ぐるなびと徳之島町は今年6月、同「連携協定に関する協定書」を締結していた。そして今回、同派遣に関する調印式を同町役場新庁舎会議室で開いた。

 調印式には、ぐるなび側から杉原社長をはじめ派遣社員「地域活性化起業人」の加東貞夫さん(42)ら4人、町側からは高岡秀規町長や加東さんの配属先となる町地域営業課の関係者らが出席。高岡町長はあいさつで「世界自然遺産になった今、観光面の交流人口増、インバウンド対応についても課題。観光面は食が非常に重要。弱い発信力も強化していただき、競争力のある地域に」と協力を要請。

 調印後、ぐるなびの杉原社長は「徳之島町はサトウキビやタンカンなど農産物、最高級の和牛生産、黒糖焼酎など良質な食資源が豊富。さらに昨年は世界自然遺産にも登録され、美しい海が取り巻く豊かな自然の地域資源を有する」。その上で「食を軸に連携して資源を生かし、徳之島町の活性化をサポート。(ぐるなび存在意義の)『食でつなぐ。人を満たす。』サービスの実現を目指したい」とも表明した。

 加東さん(大阪府出身)は2013年に入社。プログラミング、ウェブサービス・ディレクション、プロデュース、事業計画などに携わり、現在プロモーション事業部・食と観光企画部、地域振興企画グループシニアリーダー。

 月の約半分を徳之島町に在住して同課に勤務(最長3年間)。①地域の食の魅力、課題の分析をはじめ②観光コンテンツの制作支援③町内商品などの販売支援④地域の生産者や飲食店、事業者との連携に関すること⑤食を通じた交流人口・関係人口の創出・拡大⑥情報発信―などに協力する。

 ぐるなびの同制度人材派遣(協定)は21年2月の神奈川県邑南町以降、全国10例(11人)目。鹿児島県内は初となった。