名音集落でクガツクンチ

お披露目された提灯を囲んで老若男女が八月踊りを踊った名音集落のクガツクンチ豊年祭

八月踊り、特大提灯お披露目も 大和村

 旧暦9月9日の4日、大和村名音集落(井上康広区長、107世帯188人)で集落の無病息災を祈る「クガツクンチ豊年祭」があった。地元住民ら約40人が集まり、新しくお披露目された真っ赤な特大提灯=ちょうちん=を囲み、集落の安全と繁栄を願う八月踊りを奉納した。

 クガツクンチは旧暦9月9日に、一年の豊作と住民の安寧を願う集落最大の行事。大和村では、国直、湯湾釜、思勝、名音の4集落で毎年行っている。

 正午過ぎ、神々を祭る祭祀=さいし=場「テラ」で祈りを捧げた後、「ヤ~、ヨイヤ、ヨイヤ」の声を上げ、男衆らが清めの塩をまきながら集落を練り歩いた。名音生活館では、ノロの三島竹子さん(75)とグジの福山東剛さん(71)が同生活館をアシャゲに、祭壇に願立て・願直しを執り行った。

 神事の後は、お待ちかねの提灯が披露。輪になった男女は「名音八月踊り」と書かれた高さ1・6㍍の真新しい提灯を前に歌を掛け合い、神を敬う曲「ミッシャ」と「イッソ」を元気に踊った。

 提灯は、集落の八月踊りを継ぎ、伝統行事のアラセツやシバサシを復活させようと取り組む「名音八月踊り保存会」が製作した。県文化協会の助成金を活用。同会の國副平剛会長(46)は「新たなシンボル、集落の文化を継承するバトンとして、地域の子どもたちにも引き継いでいければ」と笑顔で話した。