2日間で912人が来場

自然観察の森の水辺でシリケンイモリを見つけ喜ぶ家族連れ

 

 

自然散策楽しむ家族連れでにぎわう
9日新装オープンの観察の森

 

 9日にリニューアルオープンした龍郷町の「奄美自然観察の森」(敷地面積約4万7千平方㍍)は、3連休最終日の10日、家族連れなど多くの来場者でにぎわった。同観察の森によると、9、10日の2日間で912人が来場、新たに整備された展示施設「森の館」で奄美の動植物を学んだり、森の中を散策し、自然体験を楽しむ家族連れの姿などが見られた。

 オープン2日間の来場者数は、9日が509人、10日が403人。うち森の館の入館者数は368人だった。連休最終日の10日は、時折雨が降るあいにくの天気となったが、終日、家族連れなどが訪れ、思い思いに森の中を散策、野鳥のさえずりに足を止め、木々をのぞき込むように眺めたり、昆虫の森にある水辺でシリケンイモリを見つけ喜ぶ子どもの姿もあった。

 家族4人で訪れた奄美市名瀬浦上の公務員、隈元智仁さん(38)は「奄美に来て3年目で初めて来ました。奄美の自然を体感することができ、いろんな生きものを知ることができて良かった」と話し、長男の結仁くん(5)は「イモリのお腹がオレンジ色だった。トンボや脚の長いクモみたいなのもいた」と喜んでいた。

 大阪市から観光で訪れた山本和真さん(46)は「野鳥のさえずりがとても心地よかった。展望デッキからの眺めも最高で、奄美の自然を楽しむことができた」と満足そうだった。

 奄美群島国立公園(2017年指定)に含まれる森一帯は、照葉樹林が広がり、野鳥をはじめとした多くの野生生物を観察することができる。同観察の森によると、リニューアルオープン前は観光客が来場者の半数以上を占めていたが、9、10日は、8割以上が島内からの来場者とみられるという。

 新型コロナウイルス感染症の影響もあり、ここ数年は1日の来場者は多い日でも数十人程度だったが、リニューアルオープンしたことで、地元住民の利用が増加した。同観察の森によると、亜熱帯照葉樹林の森では、1年を通じて様々な動植物が彩る四季を感じることができ、冬を迎えるこれからのシーズンは、春の繁殖時期に向け準備を始める野鳥の姿を見ることができるという。