桜美林大学生が起業

徳之島観光大使のオスマン・サンコンさんと。左から大島さん、三田村さん、齋藤さん。起業はほかに神山陸翔さん、新川凪沙さん、周旭さん、夏諾依さんが参加した

サンコンさんを囲んで授業の一環として物産販売コーナーを訪れた学生たち。右端は尾川佳子准教授

大久保まつりで徳之島特産品を販売

【東京】東京都新宿区でこのほど開催された第39回大久保まつりで桜美林大学の学生らが、発起人となった会社を通じ、徳之島の特産品を販売した。学生らは「自然豊かな島でつくられました」などと説明しながら応対していた。

特産品販売に中心的立場で携わったのは、同大学ビジネスマネジメント学群所属の7人(3年6人、2年1人)。9月16日に、㈱FLORTUS(フロータス)を起業。代表取締役は3年の齋藤奈々さん。学生自身が発起人となって、自ら資金を払い込み、自社株を購入しそれぞれ株主となった。「桜」と「起源」にちなんだラテン語での造語だ。会社の目的は、地域振興に関するコンサルティング、ウエブサイトの制作及び運営などの業務。

大学側は会社経営経験のある教員、弁護士経験を持つ実務家教員ら法律、経営面でサポート。以前より大学が連携していた、新大久保商店街と業務連携をしたことで今回の徳之島物産展にもつながった。学生らは早速、美農里(みのり)館と奄美海援隊へ商品を調達。ジャム、ジェラート、子宝島ニンニクなど15品目を「大久保まつり」に合わせ用意した。

齋藤さんは「海がとてもきれいなイメージで、ぜひ訪れたい。代表取締役の責任がありますが、楽しいですね」。三田村琉夏(るな)さんも「闘牛でも有名だし、行ってみたい」と徳之島に思いを描きながら、笑顔で接客していた。会社で唯一の2年生、大島笙太さんも奮闘していた。

レトルトカレー、タンカンのソルベが早々と完売するなど起業初の事業は上々だったようだ。「価格設定など、物産展で実際の会社経営を体験できた」「会社経営をしながら地域活性化に貢献し、自分の将来にもつなげたい」とメリットがある半面、「今後は経営責任を負うことになる」と気を引き締める、取締役(学生)らの声も寄せられている。

小林美和准教授は「徳之島とのタッグでいいスタートを切れたと思います。彼らの会社を源に、多くの方の笑顔が咲くよう期待している」と見守っている。