子どもの健全育成について意見を交わした青少年環境づくり懇談会
2022年度「大島地域青少年環境づくり懇談会」が2日、奄美市名瀬の県大島支庁大会議室であった。県や教委、学校長や警察、企業など関係者約40人が参加し、現状報告や講話を実施。コロナ禍の影響で行動制限が続くなか、意見交換では子どもと地域とのつながりの希薄化、子ども会などの活動に差が生じている現状を懸念する声も挙がった。
懇談会アンケートでは、青少年の健全育成に向けて日頃感じている問題点や意見を募ったところ、学校関係では▽長時間の動画視聴による生活リズムの乱れ▽保護者との連携▽コロナ禍での地域との関わりの希薄化―などが課題に挙がり、育成機関関係では、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷による社会問題を例に、段階に応じた情報モラルへの指導や情報発信を求める声などが出た。
意見交換では、コロナ禍での子ども会活動について「規模縮小や中止が多い。活動する集落としない集落では差が出ており、子どもと集落のつながりが希薄にならないか心配だ」とする声が挙がった。なかには「行事の中止続きで、地域と家庭にも距離感を感じる。(交流へは)今までにない難しさが出ている」といった意見もあり、対策へは「積極的な集落は指導者がしっかりしている。後継者や組織作り、サポート体制が重要だ」と提案する場面もあった。
この他、県からは2022年度活動や取り組みの現状を報告。県教育庁高校教育課の白土師直弘指導主事による「スマホ時代の子どもとインターネットをめぐる問題」と題する講演も行われた。
奄美署によると10月末現在、2022年管内の未成年の刑法犯に当たる「非行少年」による犯罪は、14歳以上が1件、14歳に満たない触法少年が4件、補導が33件。前年と比べ「緩和している」という。