徳之島町川村さんを感謝状でたたえる

Iターン篤志家の「あしながおじさん」こと川村幹弘さん(中央)を感謝状でたたえた=14日、徳之島町・亀津児童公園

Iターン篤志家「あしながおじさん」

【徳之島】徳之島町は14日、母校の愛知工業大学名電高等学校硬式野球部一行の同町合宿誘致(招待)や町野球場の整備充実などに貢献を続け、このほど新たに同町亀津児童公園に「東屋(あずまや)」(休憩所)3棟も寄贈した「あしながおじさん」に感謝状を贈呈。ちびっ子らも「ありがとうございました」の歓声でたたえた。

「あしながおじさん」は、名古屋市出身の元自動車機器製造会社社長で、約5年前から徳之島町に移住して島暮らし楽しむ川村幹弘さん(80)=同町亀津。同島とは元長寿世界一の泉重千代さんの銅像見学に訪れた観光が縁。海外への教育関連施設の設置などで世界も巡ったが、初来島時の印象、「落ち着きがある島。スポーツ活動も熱心」に背中を押されたという。

センバツ常連の強豪愛工大名電高野球部は約40年にわたって物心両面でサポートする仲だ。徳之島移住後の2018年2月、同野球部一行31人(当時)を同町内合宿に初誘致(招待)した。コロナ禍の影響も受けたが計4回来島合宿してセンバツに備えた。

ほか地元貢献では、20年に同町健康の森野球場に実業団を含む合宿来島チーム案内のボードと敷石を設置し、三塁側防球ネットも修繕。今年2月には同球場に同島初となる投球速「スピードガン」(スコアボード表示)も設置。大野稼頭央投手ら大島高野球部一行を招待した徳之島高野球部との交流試合も実現させた。

そして亀津児童公園にはこのほど、子どもや高齢者たちのために東屋(約25平方㍍)計3棟の建設費を支援。休憩用のベンチとテーブルは重厚な天然石(御影石)製にこだわった。

同公園での感謝状贈呈式には亀徳保育園の年中組のちびっ子ら約30人も招待。高岡秀規町長が、川村さんの数々の篤志に感謝して手渡すと、ちびっ子らも拍手と元気な声で「あしながおじさん」をたたえた。

川村さんは「子どもが好き。公園で安心安全に遊んで欲しい」。スポーツ支援では「本土では冬の練習は厳しい。愛工大名電は暖かくて〝徳のあるこの島〟に来てから一気に甲子園出場回数も増えた」。「今後も島を支えていきたい」とニッコリ。

川村さんはこのほか県への約3年掛かりの許可申請の末、亀徳新港駐車場沿いに「足湯」施設も設置している。