放浪館志塾

「夢のシマ」実現へ公約を発表する選挙演説は動画で行われた

 

 

 

初代「夢のシマ」区長となった当選者2人を万歳で祝福した

 

 

夢のシマ作ろうテーマに子どもたちが発表
「ごみ拾ったら商品券きれいに」「笑顔でいられるシマへ」
投票で区長選出

 

 

 龍郷町戸口にある私設の子ども図書館「放浪館」は、月1回の週末体験型ワークショップ「放浪館志塾」を開いているが、4年目となる今年度の活動プログラムテーマは「夢のシマを作ろう」。18日は「夢のシマ区長選挙」と題し、子どもたちが夢のシマ実現へ選挙演説で公約(自然と共生理想の集落実現のための提案)を発表。参加者で投票し当選者を決めた。子どもたちからはごみのない、きれいなシマにするための方法などが提案された。

 同館は、子どもたちが自由にマイペースに本を楽しむことができる図書館。建物には「シマの子どもたちに、たくさんの”ムズラシャ=ワクワク”を体験してほしい」との戸口出身である渡伸一郎館長の想いが込められており、より多くの”ムズラシャ”と出会うために毎月1回開催しているのが志塾(奄美大島在住の小学校4~6年生を対象とした登録制のワークショップ)。

 同日の志塾には18人が参加。3~4人ずつのグループに分かれ、公約として発表する原稿をタブレットで確認したり、自分の名前をたすきに書いたりした。候補者を示すポスターはスタッフが作製した。「うがみんしょーらん(こんにちは)夢のシマ区長選挙に立候補した○○です」から始まり、「ご清聴ありがとうございました。清き一票お願いします」で終わる選挙演説は、子どもたちが役割を分担して動画撮影した。

 選挙演説は動画で発表された。夢のシマを作るための公約内容は「世界自然遺産になったのにごみが多い。ごみを拾ったら、その地域で使える商品券やポイントを与え、きれいなシマにする」「おいしい物を食べると自然に笑顔になれることから、おいしいお菓子を配ったり、VR(仮想現実)を使い寝たきりの人でも八月踊りに参加できるようにするなど住んでいる人が笑顔でいられるシマに」など。開発によって自然を壊すことのない取り組みやシマ唄の普及へ歌詞に現代語の取り入れ、空港や公共施設で流す提案もあった。

 動画視聴後は参加者全員で投票(自らへの投票も可)。その結果、初代夢のシマ区長として内野歩さん、宮田卓君が当選した。準備されたクラッカーやくす玉で祝い、だるまの目入れもあり、最後は万歳で締めくくった。当選者からは「発表はいい感じででき、(当選し)うれしかった」などの感想が聞かれた。