奄美に「大学」考えよう

「もし、奄美に大学を創ったら」をテーマにディベートする島の中高生たち

琉球大学生企画 島の中高生らが白熱議論
必要性やあり方意見

 「もし、奄美に大学を創ったら」をテーマにディベート・ディスカッションする学生プロジェクトが8日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。琉球大学生らがファシリテーター(進行役)を務め、奄美大島内の中高生9人が賛成と反対の立場に分かれて相手チームと議論。島の大学設置を巡ってそれぞれが自分の意見や思いを発信し、その必要性やあり方を考えた。

 地域課題に自主的に取り組む琉球大学地域共創型学生プロジェクトの一環。同大学生の久保駿太郎さん(農学部4年)、パクチャンウさん(国際地域創造学部2年)、嘉手納芽衣さん(人文社会学部2年)のチーム「島に大学ちくいぶさ」が企画し、採択した同大がサポート。島の若者の情報収集が目的で、大学のない奄美で学生の活動を身近に知ってもらいたいとの狙いもある。

 テーマは、島に大学を作った方がいいのか、今のままでよいのか―。学生らが大学の設置条件などを事前に説明。中高生らは3チームに分かれて、それぞれが賛成派と反対派の両方を務めながら、計3回のディベートに挑んだ。

 島への大学設置について、賛成派は「若い人材を確保でき、島の発展につながる」「親の経済的負担が減らせる」「大学ができれば周辺商業施設が活性化できる」などと主張した。これに対し反対派は「予算がない」「(今の奄美は)教育より観光に力を入れるべき」「若者が増えることで治安も悪化しかねない」とデメリットを指摘。大学の運営についても「奄美群島ならではの学部を作るべき」「島へ就業できる流れが大事」「自治体と企業も一体で」などと、白熱した議論を交わし合った。

 大島高校1年の満美結歌さんは「中学生の意見が自分にない考えでとても面白かった。いろいろな視点から島を考える機会になった」と笑顔。大島高校卒業生で運営リーダーの同大・久保さん(23)は「学生の立場では思いつかない視点ばかりで、奄美の中高生の思いが知れてよかった。オープンキャンパスなど、大学にも積極的に参加するチャレンジ精神につながってくれれば」と喜んだ。