「上野原縄文の森」巡回展始まる

縄文時代の遺跡から出土した土器などが並ぶ「南の縄文文化」の巡回展

群島遺跡出土品など展示
奄美博物館で2月28日まで

 霧島市にある上野原縄文の森の奄美巡回展「南の縄文文化~奄美の自然と縄文文化~」が1日、奄美市名瀬の市立奄美博物館で始まった。28日まで開催される。同森や奄美博物館などが所蔵する縄文時代の土器や土偶、貝製の装飾品など約170点が展示されている。

 巡回展は奄美群島日本復帰70周年と同森の開園20周年を記念して開催。同森が奄美大島で企画展を開くのは初めてで、同森のほか、県立埋蔵文化財センターが所蔵、保管する県内40遺跡の出土品約100点と奄美博物館や奄美群島の自治体が所蔵する群島内20遺跡から出土した土器など約70点も展示されている。

 主な展示物は、上野原遺跡で出土した土偶や双子壺(レプリカ)、嘉徳遺跡(瀬戸内町)の面縄東洞式土器、カメコ遺跡(伊仙町)の犬田布式土器、下山田Ⅱ遺跡(奄美市笠利町)の貝製品、住吉貝塚(知名町)の石斧と貝製品など。

 奄美博物館学芸員の川上晃生さんは「瀬戸内町と県立埋蔵文化財センターがそれぞれ所蔵する2体の面縄東洞式土器が同時に展示されることは珍しい。縄文文化を知る貴重な機会でもあり、奄美群島の発掘調査で得られた成果も多数展示されているのでぜひ多くの人に見てもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 期間中の同11日には、同市笠利町の宇宿小学校で巡回講演会とワークショップも開催される。巡回展や講演会、ワークショップに関する問い合わせは、上野原縄文の森(電話0995―48―5701)か、奄美博物館(同0997―54―1210)へ。