タンカン、シーズン到来

「糖度が高く香りもいい」と話す西田さん夫婦ら

笠利町ではさみ入れ式
生育順調、今季は「豊作年」

 2022年度産「奄美たんかんはさみ入れ式」(JAあまみ大島事業本部主催)が1日、奄美市笠利町和野の西田農園(西田昭仁園主)であった。生産者や行政、同事業本部職員ら関係者約50人が出席。生産者らは鈴なりに実った色鮮やかなタンカンを摘み取り、収穫シーズンの到来を祝った。

 今季は、台風の影響も少なく生育は順調。日照不足が心配されたが、表年ということもあり多産傾向で推移。着色は遅れたものの外観・品質ともに仕上がっており、同事業本部の共販は前年度を30㌧上回る92㌧を見込んでいる。

 園主の西田さん(58)は、33年前に役場を中途退食し25歳で父と弟が経営する同農園に就農した。自然の防風林を生かした300㌃の農地で、千本超のタンカンを生産。平井レッドやマンゴーも手掛けながら、新たな品目・品種獲得に向けた試験栽培などにも積極的に取り組んでいる。

 式で同本部果樹専門部会の大海昌平部会長は「今季は豊作年。適宜収穫し、品質保証をしながら出していこう」と呼び掛けた。県大島支庁農政普及課の川越尚樹課長は「奄美のタンカンは唯一無二。世界自然遺産登録地という気概を持ちながら本物を届けていこう」と激励した。西田さんは「笠利で初めてハサミ入れは光栄」と喜び、今季の出来については「糖度が高く香りもいい。独特の味を楽しんでほしい」と話した。

 園では西田さん、妻のかおりさん(58)らがハサミ入れ。色鮮やかなタンカンを手に笑顔を見せた。

 同事業本部による出荷は同日から開始。収穫は3月中旬ごろまで続く見通しで、7・8日は奄美市名瀬の市農業研究センターで品評会や表彰式も予定している。