空き家利活用へ 奄美市空き家対策協

空き家対策などについて協議した市空き家対策協の委員ら

情報提供同意14件
所有者所在、312件確認できず

 奄美市空き家対策等協議会(伊集院平應会長、11人)の第3回会議が23日、同市名瀬の市民交流センターであり、同市の2022年度空き家相談・調査状況や、県宅地建物取引業協会との連携協定に基づいた空き家対策などについて報告があった。市が空き家の利活用などを目的に所有者に情報提供を求めたところ14件について、情報提供の同意が得られた。一方で、同意書を送付した780件のうち、312件について、住所変更などにより所有者の所在が確認できなかったという。

 同協議会は、市と県建築士会、県司法書士会、弁護士、大島地区消防組合、名瀬、住用、笠利3地区の代表らで21年2月に組織。市が策定した空き家対策計画に沿って、空き家の適正管理と定住促進などのための利活用などについて、毎年度1回程度、協議を行っている。今回は、21年10月(第2回)以来の開催となった。

 22年度の空き家に関する相談・調査件数は29件(2月現在)。地区別の内訳は、名瀬27件、住用と笠利が各1件。市の空き家除去助成金制度を活用して除去した空き家は2件で、他に改善(修繕)も2件あった。

 市が家屋の撤去費用の三分の一(上限30万円)を助成する助成金については、22年度12件の申請があり、審査の結果8件について交付が決定した。

 市が昨年10月に県宅建協会と結んだ空き家対策協定についても報告があった。同協定は、市内の空き家の市場流通促進と新たな危険空き家発生の抑止、定住促進などを目的に、市が所有する空き家情報を同協会を通じて不動産業者に提供、空き家の賃貸や売買、危険空き家の撤去などを図るもの。

 協定締結後、市は、所有者に空き家情報を不動産業者に提供することに同意してもらうためのアンケート調査を実施。市が把握している空き家1049件のうち、所有者情報が確認できた780件について、情報提供同意書などを送付。うち返信があったのは30件で、情報提供を同意したのは14件。残り、16件は売却、賃貸、解体済みだった。

 また、312件については宛先不明で、その要因について市プロジェクト推進課は「家屋の情報が更新されず、所有者の現住所が変わったため」などと説明。今後も地域住民からの情報提供なども含め、所有者の確認作業を進めていく考えを示した。