タンカン奄美大島選果場

光センサーが設置されている奄美大島選果場へのタンカン持ち込みはピークとなっている

委託量100㌧突破
光センサー選果 共販製品化率は60%台

 JAあまみ大島事業本部が管理運営している奄美大島選果場=奄美市名瀬朝戸=への特産果樹・タンカン持ち込みがピークを迎えている。ばらつきのない品質保証が可能な光センサー選果利用の委託は152㌧の計画(前年実績140㌧)に対し、すでに104㌧(20日現在)の持ち込みがあり、順調に稼働。下場(平場)に続き、規模の大きい生産者が果樹園を持つ上場の収穫・出荷も始まっており、量の伸びが期待さされている。

 JAの集選果体制は、名瀬支所管内の生産者は選果場までの持ち込み、その他の支所管内生産者は指定集荷場などまでの持ち込み。共販(JA出荷)と委託に分けて選果しており、共販は月曜・水曜・金曜、委託は火曜・木曜・土曜に設定している。

 今月中旬にはほとんどの収穫が終了した下場に代わり、現在の集出荷は奄美市名瀬地区の本茶や安脚場(古見方)、福元地区(大和村)、瀬戸内町の山間部など上場にある果樹園から持ち込まれたもの。光センサー選果利用で共販の方は、92㌧の計画に対し75㌧(20日現在)の量となっている。うち秀・優・良の各等級にランクされる製品は45㌧で、全体に占める割合は60%。それ以外は外品などで、3Lクラスの大玉や腐敗果もあったという。

 光センサーを通すことで糖・クエン酸の内部品質の状況が数値で示されるが、下場で収穫された果実は糖の伸びが今一つだったという。選果後の出荷は宅配を中心に全国に発送されている。

 製品化率についてJA担当者は「気温低下による落葉の影響のほか、摘果が不十分な着果過多が製品化率を下げている。一方で今期は収穫の遅れがなく、適期収穫されたものが持ち込まれており、製品化率が大きく下がるのを防ぐことができたのではないか。収穫終了後も木の芽の動きに注意しながら防除などの管理作業をしてほしい」と呼び掛けている。