十五夜踊りの演目の一つ「長刀」を奉納する二番組の踊り手ら=与論町=
島中安穏と五穀豊穣願う
【沖永良部】旧暦3月15日にあたる4日、与論町の地主神社で国の重要無形文化財「与論十五夜踊り」が奉納された。訪れた地元住民や観光客らは、踊り手とともに島中安穏と五穀豊穣を願った。
旧暦の3、8、10月の15日に奉納される伝統行事。踊り手は、大和風踊りの「一番組」と琉球風踊りの「二番組」に分かれ、両者が交互に演じる。
神事の後、あいさつに立った山元宗町長は「コロナ禍の間も保存会のメンバーが工夫をしながら踊りを奉納し続けてきた。これからも与論島の発展を祈ってほしい」と述べた。
この日は、一番組と二番組の合同演目「雨賜り(あみたぼうり)」を皮切りに全9演目を披露。このうち「二十四孝」と「長刀」の2演目には、新たに一番組の踊り手となって橋本康宏さん(37)と北村佳右さん(25)の2人も出演した。
踊り終えた橋本さんは「本当に緊張した。一つでも多くの演目を練習してみんなに見てもらいたい」。北村さんは「なんとかやり切った。先輩に誘ってもらったおかげでこの場に立つことができた。これからも頑張っていきたい」と語った。
最後は「六十節」が披露され、三味線と太鼓の音に合わせて参加者全員がカチャーシーを踊り締めくくった。