コロナ「5類」移行で解散

7日で閉鎖となった奄美空港内の無料PCR検査所(7日午前11時30分ごろ)

奄美群島対策本部
PCR検査場も終了

 新型コロナウイルス感染症の位置付けが8日から季節性インフルエンザと同様の「5類」へ移行されるのを受け、奄美大島の対策本部会議(会長・安田壮平奄美市長)は「解散に際して」の共同メッセージを発出するなど、奄美群島12市町村が設置していた対策本部の多くが7日で解散。同じく島ごとに運用していた「コロナ警戒レベル」も終了した。県内のPCR検査所も同日までにすべて終了。奄美大島で唯一となっていた奄美市笠利町の奄美空港にある無料検査所も同日で閉鎖された。2020年4月に奄美群島で初の感染者が確認されてから約3年。感染法上の位置付け変更により、新型コロナへの対応は節目を迎えることになった。

 奄美群島の対策本部で解散となったのは、奄美大島5市町村、喜界町、徳之島3町、与論町の4本部。沖永良部島2町は一定期間存続する。

 解散が決まった奄美大島5市町村は共同メッセージで「地域行事の多くが再開され、各集落でチヂンやハトの音が響く日が戻ってくる」などと、「5類」移行を歓迎する一方、「新型コロナウイルスが完全になくなるわけではありません」と、感染への警戒も呼び掛けており、医療機関などでは、依然として新型コロナ感染への警戒と感染対策が続いている。

 大島郡医師会の稲源一郎会長は「感染者数はかなり減少したが、高い感染力があることに変わりはない。高齢者など重症化リスクのある人の存在も忘れず、場合によってはマスク着用などの感染対策を心掛けてほしい。発熱などの症状がある場合は、自宅療養し、かかりつけの医師に相談してもらいたい」と話す。

 また、5類移行により様々な制限がなくなることで今後、奄美群島を訪れる観光客が急激に増えることが予想されることにも触れ、「感染が確認された旅行者への対応が重要になってくる。宿泊療養施設などをうまく活用することで感染拡大防止につなげられるよう、医師会としても協力していきたい」などと話し、感染者のための宿泊療養施設の運用が、県の判断により9月末まで継続されたことを評価した。

 無料PCR検査が7日で終了する一方、新型コロナワクチンの無料接種は8日以降も継続される。政府は、同日~8月末まで「2023年春開始接種」として、65歳以上の高齢者や5~64歳の基礎疾患を有する人、医療従事者等を対象に、新型コロナウイルスワクチン(オミクロン株対応)の接種を行う。

 奄美市では、対象者約9千人に対し、接種券を発送。希望者に医療機関での個別接種を行うよう呼び掛けている。