安木屋場でもアカウミガメ産卵激減

約80人が参加した「ウミガメミーティング2023」

海洋生物研 ウミガメミーティング
混獲恐れ「地道な調査重要」

 奄美海洋生物研究会(興克樹会長)主催の「ウミガメミーティング2023」が16日、龍郷町安木屋場海岸にある渡連キャンプ場であった。同海岸でもアカウミガメの産卵確認数は大幅な減少が続いている。興会長は「全国と同じ傾向だが、地道に調査を継続していくことが重要だ」と訴えた。

 産卵環境の保全を目的に、県や奄美大島各地でウミガメ調査に取り組む同研究会による報告・観察会として開催。約80人が参加した。同海岸では3年ぶりで、興会長が上陸や産卵数について報告した。

 安木屋場海岸では、20年39回(うちアカウミガメ3回)、21年16回(同1回)、22年8回(同0回)の産卵数を確認。13年の141回(同130回)をピークに同海岸でもアカウミガメの産卵確認数は激減しており、興会長は「アオウミガメの確認が増える一方、アカウミガメの減少は顕著だ」と説明した。

 全地球測位システム(GPS)を使った個体の追跡調査では、アオウミガメは沿岸海域の藻場で餌を食べるのに対し、アカウミガメは沖合の漁業活動域で摂餌=せつじ=しているとみられる。減少要因について興会長は「(漁の網に巻き込まれるなど)混獲の恐れもある」などと指摘。「(混獲の)兆しがあれば規制をかける必要もある」と話した。

 報告会後には、赤色ライトを手に海岸を散策。ウミガメが上陸した足跡や産卵の痕跡を観察した。

 同海岸では今年、5月1日に調査を開始し同日までに計17回の産卵数を確認。うち8回がアカウミガメとみられている。