線状降水帯、北部で猛烈な雨

記録的な大雨で冠水している奄美市住用町下役勝住宅前の国道58号=20日午後9時過ぎ(奄美市消防団住用分団提供)

大和村で1時間110㍉今里地内崩土、通行止め
奄美地方

 気象庁は20日午後6時39分、奄美地方に局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生したと発表した。北部の大和村付近では午後6時30分までの1時間に約110㍉の猛烈な雨を観測。同7時30分現在、奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町の4市町村で土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当)、大雨・洪水警報を発令し、厳重な警戒を呼び掛けている。

 奄美地方付近にある梅雨前線が、21日にかけて種子島・屋久島地方付近まで北上する見込みで、この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定になった。

 気象庁によると、瀬戸内町古仁屋で午後6時20分までの1時間に72・5㍉を観測。3時間の降水量も100㍉を超えた。

 災害発生の危険度が急激に高まっているとして県大島支庁と4市町村では対策本部などを相次いで設置。避難所が開設され、避難指示も出された。

 名瀬測候所によると、21日午後6時までに予想される24時間降水量は、北部で200㍉、南部で80㍉。21日夕方にかけては局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降る恐れもあり、土砂災害などへの厳重な警戒を呼び掛けている。

 なお20日午後8時現在、県道名瀬瀬戸内線(大和村今里地内)では崩土が発生。県大島支庁によると、全面通行止めとなっており、う回路はない。その他の被害情報はまだ入っていない。