「ハンセン病」正しく理解を

「ハンセン病問題を正しく理解する週間」の一環で開催中の啓発パネル展(19日、奄美市役所)

24日まで啓発パネル展
奄美市役所

 ハンセン病問題を巡る歴史、療養所生活などを伝える啓発パネル展が18日から、奄美市名瀬の市役所3階ロビーで始まった。国立療養所・奄美和光園(同市名瀬)の歩み、国の患者隔離政策、国賠訴訟など解説。展示を通して「正しい理解」を呼び掛けている。

 県は、22日の「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」を含む一週間を「ハンセン病問題を正しく理解する週間」と制定。今回、奄美市ほか、鹿児島市、鹿屋市、大崎町の4か所でパネル展示など共催している。

 日本では、1996年に「らい予防法」を廃止。以来、隔離政策によるハンセン病療養所は、同病患者らの生活の場となったが、現在も残る差別や偏見、入所者の高齢化など、新たな問題が生まれた。

 ハンセン病療養所は今年4月現在、全国に国立療養所が13か所、私立療養所が1か所。入所者の平均年齢は87・9歳。県内は、奄美和光園(同市名瀬)と星塚敬愛園(鹿屋市星塚)の2か所。

 展示内容は、▽ハンセン病問題の歴史に関するパネルや写真▽奄美和光園入所者自治会のメッセージ▽同園入所者の絵画―など。他にも、ハンセン病に関する複数の関連書籍が置かれている。

 市健康増進課予防係の赤塚直樹係長は「ハンセン病問題の歴史は、コロナ禍が起きた現在も通じる話。差別をなくすために、お互いのことを理解する大切さを知っていただければ」と話した。

 展示は24日までで、午前8時半から午後5時15分。