県議会一般質問

県内半数以上で進捗率50%以下
自治体の個別避難計画作成
米軍機低空飛行騒音測定 増設を国に働き掛け

 6月定例県議会は21日から一般質問に入り、同日は村野俊作議員=公明党、鹿児島市・鹿児島郡区=、郷原拓男議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=、東清剛議員=無所属、日置市区=、伊藤浩樹議員=自民党、出水市区=が登壇した。防災対策で県では、自力での避難が困難な高齢者や障がい者などの「要支援者」(在宅要介護者)を対象にした個別避難計画作成を促進している中、県内の半数以上の自治体で進捗=しんちょく=率が50%以下にとどまっていることが報告された。

 長島和広・危機管理防災局長が答弁。進捗率が低迷している要因として、▽計画作成にあたって避難行動支援者の心身の状況に応じて避難方法を個別に検討する必要がある▽計画作成のスキルを持つ人材の不足▽避難を支援する人材、移動手段、医療機器、電源等の確保▽実効性を高めるため避難訓練の実施―など挙げ、「さまざまな課題がある」と述べた。

 こうした状況を受け現在、県では福祉専門職など多職種が共同して計画作成を推進する組織など国のモデル事業による先進事例を紹介している。長島局長は「今後、県内における計画作成の優良事例や訓練の実施事例を周知することにより、市町村における計画作成や避難訓練の実施を促進していく」と述べた。

 新型コロナウイルス感染症関係では、感染症法上の位置付け変更後の相談対応(「コロナ相談かごしま」、「コロナ・フォローアップセンター鹿児島」)が取り上げられた。房村正博・くらし保健福祉部長の答弁によると、国の方針として外来や救急への影響緩和のため、発熱時等の受診相談及び陽性判明後の体調急変時の相談を対象に継続するとしている。これを踏まえて県も発熱時の受診相談窓口はコロナ相談、陽性判明後の体調急変時の相談窓口はコロナフォローアップで継続中(9月末まで)。房村部長は「コロナ相談かごしまにおいては、国・県の施策、ワクチンなど受診相談以外の問い合わせがあった場合を対象可能とする相談窓口や施策を相談する部署を案内するなど適宜対応している」と述べた。

 米軍機低空飛行訓練に伴う騒音問題の質問があった。防衛省九州防衛局は今年3月、奄美市名瀬知名瀬の知名瀬保健福祉館の屋上に、航空機による騒音の自動測定装置を設置し、測定結果をホームページで公表している。同装置の増設について長島局長は「全国知事会を通じて国の責任で騒音測定器を増やすなど必要な実態調査を行うことを要請している」とし、奄美市での常時測定開始を受けて「県としては今後とも国に対し騒音測定器の増設について全国知事会を通じて要請していく」と述べた。

 また、低空飛行に関する申し入れについて長島局長は「九州防衛局に対し、県民の安心・安全確保の徹底について米軍側に申し入れるよう要請しており、また全国知事会を通じ国の責任において騒音測定器を増やすなど必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートなどの事前情報提供、人口密集地域の飛行回避、深夜など住民の影響が大きい時間帯を避けるなど地域住民の不安払拭=ふっしょく=へ十分な配慮など要請している」と説明した。