「奄美市しまワーク」

「奄美市しまワーク協同組合」の特定地域づくり事業協同組合認定を喜ぶ(左から順に)安田市長、新川支庁長、奥代表ら

 

特定地域づくり事業認定証交付
7月に派遣職員5人求人募集
地域産業の働き手確保へ

 

 地域の人手不足解消と移住者の増加などを目的に、繁忙期が異なる仕事を組み合わせて働き手を派遣する「奄美市しまワーク協同組合」(奄美市名瀬港町、奥圭太代表理事、組合員8事業所)の特定地域づくり事業協同組合認定証交付式が29日、奄美市役所であった。認定日は今月13日付。同組合は7月から組合員の事業所に派遣する職員5人の募集を開始する。今後、ハローワークや民間の求人サイトなどで求人を行い、主に島外からの人材採用を目指す。奄美群島で特定地域づくり事業の認定を受けるのは、沖永良部2町、与論町、伊仙町に続き4例目。

 認定証交付式には、しまワークの奥代表のほか、新川康枝県大島支庁長、安田壮平奄美市長らが出席。奥会長は「世界自然遺産登録などにより島内の観光客は増加している一方で、地元経済の活性化に向けた人材確保は喫緊の課題となっている。組合として主に島外からの雇用によって、地域産業の振興や発展に努めていきたい」と抱負を語った。

 安田市長は「しまワークの特定地域づくり事業協同組合認定は大きな前進。地域経済の発展に寄与するものと期待している」などと事業開始を喜んだ。

 しまワークの組合員は▽㈱ばしゃ山▽㈲アーマイナープロジェクト▽㈱しーま▽㈱元井農園▽奄美観光㈱▽結人㈱▽前田社会保険労務士事務所▽㈲奄美ビジネス―の8事業所。ホテル業務や農業、イベント企画、観光案内業務などに携わる派遣職員を募集する。

 特定地域づくり事業協同組合制度は、人口の急激な減少に直面している地域において、農林水産業や商工業、観光業などの担い手を確保する国の制度。

 同組合では移住者を中心に正規職員を雇用。組合員の事業所の繁忙期などに合わせ、期間を限定して職員を派遣する。複数の仕事を組み合わせることで、年間を通して働ける場を提供でえきる。派遣職員の人件費や事務局の運営などにかかる経費の約半分が国や市町村から助成される。

 国内では6月1日現在、87組合が認定を受け、県内では6組合が事業を行っており、しまワークは7例目。うち、奄美では21年5月の「えらぶ島づくり」(和泊町、知名町)を皮切りに、「ヨロンまちづくり」(与論町)、「とくのしま伊仙まちづくり」(伊仙町)の3組合が事業をしている。