23年産スモモ 大和村で報告

単価は上昇したものの、共販数量の減少が報告された大和村での2023年産奄美プラム出荷反省会(18日、村防災センター)

共販低迷3・9㌧減の26・7㌧ 地元市場、業者に流れる
単価、欠航影響なく上昇

 JAあまみ大島事業本部は18日、2023年産「奄美プラム」(スモモ)出荷反省会を最大産地・大和村から開始した。同村は共販受け入れの窓口となる湯湾釜選果場を村(産業振興課)が運営しており、伊集院幼村長をはじめ村関係者も出席。生産農家にJAの取り扱い状況や販売経過・実績などが報告され、共販実績は前年比3・9㌧減の26・7㌧となり、30㌧台に届かなかった。

 伊集院村長、村果樹振興会・藤村秀久会長があいさつ。この中で伊集院村長は果樹の村、スモモの里として「イベント開催など農家と共にPRしていきたい。大玉の果実を作ってほしい」、藤村会長は地元市場の値段の高騰や業者の買い取りがある中、台風による船舶の長期欠航時は保冷施設で保存し値崩れ防止など共販のメリットを挙げた。

 大島事業本部によると、今期産共販実績(数量、金額)の支所別は、名瀬3・0㌧(前年比100%)、165万4千円(同9%増)▽大和22・1㌧(同15%減)、1449万6千円(同1%増)▽龍郷1・6㌧(同12%減)、75万5千円(同9%減)。

 取り扱い計画(15・3㌧)は上回ったものの、数量の減少が目立つ。村産業振興課は「村内の総生産量は前年が約55㌧で、今年もやや上回る57~60㌧が見込まれている。共販以外では地元市場に5~6月にかけて約15㌧が出荷され、ベトナム出身者を中心とした買い取り業者による購入(青取り段階から)も見られたが、数字は把握できていない」と説明。出荷先がJAだけでなく地元市場などへ流れている中、出席者から「共販率を高めるため、湯湾釜選果場の取り扱い開始を早めてほしい」との要望が出た。

 計画で500円としていた単価(キロあたり)は682円に上昇。JAは「5月末頃に台風接近に伴い船の欠航が続いたが、大きな輸送事故などもない出荷工程だった。宅配・業者などの注文分は全てさばけ、市場関係も注文を受けた分は出荷でき、単価減もなく平年よりも優位な販売ができた」と報告。欠航は出荷期の前半だったこともあり、保冷後も果実はしっかりとした状態で腐敗果などは出なかったという。

 課題として挙がったのが階級面。前年よりも1階級下のL主体(全体に占める割合42・73%)で2L(同34・09%)寄りとなり、3L(同6・64%)が減少。湯湾釜選果場で比べた場合でも3Lが占める割合は前年の17%から9%に縮小した。減少の要因について「肥大期に降雨が少なかったため」としている。

 今後の販売対策では市場出荷は関西方面までとなっている中、東京の市場にも目を向ける。豊洲市場にサンプルを送ったところ手応えがあり、JAは「量が増えても対応できるよう、同じ所に集中しないようにしていく。少しずつ東京の市場にも出したい」とした

 同様の出荷反省会は21日には名瀬支所(午前10時から里公民館)、24日には龍郷支所(同秋名コミュニティセンター)である。

 大和村のスモモ出荷被表彰者は次の通り。(敬称略)

 ▽総出荷量 ①梅畑益雄(2029・0㌔㌘)②市田実孝(1799・7㌔㌘)③畑進良(1639・8㌔㌘)▽大玉率 ①玉利龍吉(17・5%)②仁添隆徳(15・9%)③政村実達(14・5%)