大和村で読者指導者研修会

学校や図書館関係者など64人が実例発表などに耳を傾けた大島地区読者指導者等研修会

 

 

子どもの読書力高めよう
名音小や巡回図書が実践発表

 

 

 読書指導の資質向上を図る第31回大島地区読者指導者等研修会(県図書館協会奄美支部主催)が28日、大和村防災センターであった。参加者らは、地域の子どもたちの本を読む活動や読書力を意欲的に高めようと、大和村の名音小学校や巡回図書の実践発表に耳を傾けた。

 幅広い世代の読書活動推進と読書指導に関する職員の資質向上が目的。奄美群島内から学校や図書館関係者など64人が参加した。

 大和村中央公民館図書館長の郁島信介さんは「子どもたちが楽しみにする巡回図書車の取り組み例」と題し発表。子どもたちの読書量を増やすために巡回車「クロウサギ号」で取り組んだ、▽貸借のセルフ化▽多読賞の設定▽新規購入図書の展示会―などを紹介した。

 同村名音小学校の上野明香教諭は「生きる力を育む読書指導の充実」をテーマに同校で実践した、▽読書ビンゴカードの作成▽保護者による読み聞かせ▽校内読書まつり▽ビブリオバトル―など、11の取り組みを紹介。一つの本を教材に、読書新聞にまとめて発表会を行った授業を解説し、「並行読書を取り入れることで主体性も芽生えた。子どもたちが積極的に感想を伝え合うようになった」などと振り返った。

 県立奄美図書館の小林由香さんは総評で「(大和村は)保護者や地域が一体となることで子どもの読書力も高まってきた」と評価。「自分なりの問いを持ちながら解決、生きる力を育むことが大事。2学期の授業にも生かしてほしい」と呼び掛けた。

 実践発表の後は、奄美博物館の元館長や学芸員らによる著書『博物館が語る自然・文化・歴史』などについて語る講演もあった。