和泊町子ども議会

一般質問する中学生ら(和泊町役場議会議事堂)

 

遠征費助成や通学路安全など要望
中学生議員が一般質問

 

 【沖永良部】夏休み恒例の「和泊町子ども議会」が31日、同町議会議事堂であった。町内2中学校の生徒10人が議員を務め、環境問題や教育、道路整備など中学生が思う町の課題について町職員へ質問した。

 子ども議会は、まちづくりに関心を持ってもらおうと毎年開催している。今年で27回目。

 一般質問には、議長役を除く9人が登壇。答弁は、担当課で事業に直接関わっている職員が行った。

 和泊中3年の今井響さんは、部活動の遠征費や検定試験の検定料に対する助成制度について質問。「金銭的な理由で部活動を辞める人や、検定を受けたくても高額な検定料が壁になっている」と訴え、部活動の島外遠征にかかわる学生割引制度の創設と、現在町で実施している英検の検定料助成を数学検定や漢字検定にも拡充するよう求めた。

 安全な道路の整備について質問した城ケ丘中2年の皆村優衣さんは「沖永良部は歩道が狭く、登下校時に歩行者と車両が接触事故を起こす危険性が高い」と指摘し、狭い歩道における区画線のカラー化と歩道のバリアフリー化を要望した。担当職員は「今年度から道路歩行空間をカラー舗装していく。運転者も歩行者への意識が高まり、危険解消につながると考えられる」などと答えた。

 このほか、リサイクル工場の建設や大規模スポーツ施設の整備、島の食材を活用したイベントの開催、波力発電の導入のほか、環境問題を考えるきっかけとして海洋ごみを活用したアート体験の実施などのアイデアも出た。

 竹下安秀教育長は「身近な環境や社会問題に関心を寄せ、問題解決のために素晴らしい提案をしてくれた」と講評した。

 議長役の城ケ丘中2年、瀬島奈美恵さんは「町を良くする意見がたくさんあったし、議会について知ることができた。この経験を学校生活や地域のために生かしたい」と話した。