鈴木教授(左)に植物名などを教えてもらう小学生ら
鹿児島大学国際島嶼=とうしょ=教育センターの「奄美の路傍植物の採集と押し葉標本づくり」が30日、奄美市であり、小学2年生から中学2年生までの児童生徒と保護者ら10家族23人が参加、同センターの鈴木英治特任教授(70)の指導の下、植物標本づくりに挑戦した。
参加者は同市名瀬にある県立奄美少年自然の家近くのあかさき公園で約2時間かけて周辺を散策、鈴木教授の説明を受けながら葉や花、根などを観察、20~40種類ほどの植物を採集した。
午後からは、同大奄美分室に移動して押し葉づくりに挑戦。取ってきた植物の名前を図鑑で調べたり、鈴木教授に植物名を教えてもらいながら、一つ一つ丁寧に新聞紙の間に挟んで押し葉にしていった。夏休みの自由研究などとして標本にするという。
採集した植物の中には、繁殖力が強く、在来植物の生育に影響を与えることから、緊急対策外来種に指定されている「アメリカハマグルマ」や奄美の梅雨時期に白い花を咲かせることで知られる「イジュ」などもあり、鈴木教授は「身近にある植物に興味を持つことで、地域の自然環境などを考えるきっかけにもなれば」などと話した。
また、NHKで放映中の朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルでもある植物学者の牧野富太郎博士が残した植物標本が鹿児島大学にも保管されていることなどを紹介し、「きれいに保存すれば100年後でも、どんな植物がどこで採取されたかを知ることができる」などと話し、植物標本の魅力を語った。
標本づくりに参加した同市名瀬の知根小6年、榮睦月さん(11)は「細長いものやギザギザしたものなど、いろんな葉っぱの形があって面白かった。いろんな植物の名前を教えてもらったので、きれいな標本にして残したい」と話した。
夏休みを利用して同市笠利町の祖母宅に帰省中の鹿屋市立寿小3年の朝野愛心花=あみか=さん(8)は「赤い花の植物が魚と同じ名前のゴンズイということを知ることができて良かった。夏休みのいい思い出になった」と話した。