11市町村で避難指示発令

台風接近に伴い開設された奄美市の避難所(5日午前11時30分頃、奄美市住用町の奄美体験交流館)

 

 

奄美群島 410世帯、557人が避難
台風再接近、不安な夜過ごす

 

 台風6号の接近に伴い、奄美群島12市町村では5日午後5時現在、410世帯、557人が、各自治体が開設した避難所に避難した。群島の広い範囲が暴風域に入り、次第に雨風が強まる中、避難した住民らは、「大きな被害がなく過ぎ去ってほしい」と祈るような思いで、不安な夜を過ごした。

 12市町村のうち奄美市など8市町村が全域に5段階の警戒レベルのうちレベル4にあたる避難指示を発令、瀬戸内町や天城町、伊仙町でも一部の集落などに避難指示(レベル4)を出した。喜界町は警戒レベル3にあたる高齢者等避難情報を町内全域に出すなど、各自治体とも危険な場所などからの早めの避難を呼び掛けた。

 同日午後5時現在の12市町村の避難者数は▽奄美市80世帯、125人▽龍郷町30世帯、35人▽瀬戸内町57世帯、62人▽大和村31世帯、37人▽宇検村34世帯、57人▽喜界町28世帯、37人▽徳之島町29世帯、39人▽伊仙町14世帯、19人▽天城町13世帯、20人▽和泊町8世帯、11人▽知名町29世帯、35人▽与論町57世帯、80人。

 奄美市では同日午前9時に市内66か所(その後1か所追加し67か所)の避難所を開設。同9時15分に高齢者等避難、同11時30分に避難指示を市内全域(2万3741世帯、4万2674人)に出して避難を呼び掛けた。

 奄美市住用町神屋の屋宮和弘さん(81)は、妻の春江さん(80)と2人、同市名瀬のAiAiひろばに避難した。和弘さんは「避難するか迷っていたが、市から避難指示の情報が出たので、かかりつけ医に近い名瀬の避難所に行くことにした。夜遅くなると高齢夫婦2人では移動も困難になる。早めに避難できて良かった」と話し、春江さんも「家で不安な思いをするより安心。大きな被害が出ないことを祈っている」と話した。