奄美群島の各空港で運航再開

徳之島行きの便に搭乗するため、笑顔で出発口に向かう沖永良部高校エイサー部の生徒ら(9日午後2時頃、奄美空港で)

空港に到着した沖高エイサー部のメンバーら(9日午後4時半頃、沖永良部空港)

沖永良部高エイサー部 2週間ぶりに帰途に
鹿児島便、一部除き欠航相次ぐ

 台風6号の影響で欠航が続いていた奄美群島の各空港では9日、離島間を結ぶ便などを中心に運航が再開した。5日以降、離発着全便の欠航が続いていた奄美大島の奄美空港では、鹿児島や福岡便で欠航が相次いだが、東京(羽田)、大阪(伊丹)、各離島を結ぶ便などが5日ぶりに再開。1日まで奄美市で開催された全国高校総合文化祭(かごしま総文)に出場し、同島で足止めされていた沖永良部高校エイサー部の生徒や保護者ら42人が、徳之島経由で帰途に就いた。

 同校の生徒らは、7月27、28日に来島、当初は2日早朝のフェリーで帰島予定だったが、台風の影響で足止めされていた。

 この日、ようやく帰島できることになった同部主将の3年、松下夢さん(17)は「家に帰ることができてホッとしている。早く、友達や家族に会いたい」と笑顔。約2週間にわたる奄美大島での足止めについても「少し疲れたけど、いろんな場所でエイサーを披露できたので楽しかった」と話し、2年の三島乃々さん(16)も「たくさんの人の前でエイサーを披露できて、いい経験になった。博物館など観光も楽しむことができていい思い出になった」と話した。

 同空港の登場ロビーには、県教育委員会大島教育事務所の職員らが「また、いもーれ(また、いらっしゃい)」と書かれた紙を手に、生徒らを見送り、生徒らも笑顔で手を振って応じた。

 各離島の空の便は、7月末以降、台風の影響で欠航が相次いだ。奄美空港では台風が一時的に遠ざかった8月3、4日に東京(羽田)や大阪(伊丹)、鹿児島を結ぶ便で臨時便などを増便、全国各地からかごしま総文に参加した高校生らの帰途に対応した。一方、奄美地方南部や沖縄では台風の影響で欠航が続いていた。

 日本航空(JAL)奄美営業所によると9日、奄美―徳之島、徳之島―沖永良部のほか、東京―奄美の往復便で臨時便を運航するなどした。一方で、各離島と鹿児島を結ぶ便で、午前の一部を除き欠航が相次いだ。

 同営業所によると、10日も台風の影響などにより各離島に向かう早朝の鹿児島出発便などを中心に欠航が決まっており、同営業所の担当者は「台風の影響が完全になくなるには、もう少し時間がかかる。台風7号の進路によっては、さらに影響が長引く可能性もある。帰省などを計画している人は、今後の運航状況をしっかり確認してほしい」としている。

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 午後4時半頃、沖永良部空港に到着。出迎えた家族らが「おかえり」と声を掛け、手を握ったり、抱き合ったりしていた。

 引率した保護者の平尚美さん(50)は「到着した時は感動した。子どもたちは、延泊で体調を崩すこともなかったし、この経験で得られたことも多いと思う」と話した。

 エイサー部の松下夢部長(3年生、17)は「島に戻れて安心した。奄美大島では観光も楽しめたし、多くの人の前でエイサーを披露できて良かった」と笑顔を見せた。