チームスマイル、障スポへ始動

特別全国障害者スポーツ大会・燃ゆる感動かごしま大会へ練習を本格させたチームスマイルの4人(手前から時計周りに、選手の村山さんと宮田さん、宮田コーチ、支援員の白浜さん)
戦術などを互いに話し合いながら真剣な表情で練習に取り組む宮田さん(右)と村山さん

ボッチャ県代表の村山さん、宮田さんが練習本格化
「ボッチャと奄美広めたい」

10月28日に開幕する特別全国障害者スポーツ大会・燃ゆる感動かごしま大会まで約70日と迫る中、身体障がい者のボッチャ競技(個人・2人1組)に出場する「チームスマイル」の練習が熱を帯び、本格化している。試合でペアを組むのはあしたば園の村山翔さん(29)と大島特別支援学校高等部2年の宮田結菜さん(16)。県代表として初出場で大舞台に挑む2人は「勝ちたい。優勝目指しボッチャと奄美がいろんな人に広がるように活躍したい」と意気込む。

15日夕方、奄美市の名瀬運動公園体育館。2人は家族や仲間7人で訪れ、基礎練習や実戦形式のゲームに汗を流していた。指導する宮田智子コーチ(45)は「2人ともまじめで真剣に取り組んでいる。上達することで勝ちたいという気持ちも強まっている」と目を細める。

ボッチャを始めたのは昨年12月。県社会福祉協議会主催のボッチャ教室で、競技の楽しさを知った。そこで出会った指導員から2人が組むことを薦められチームを結成。厳しい練習を積み重ねる中、予選となるプレ大会、リハーサル大会で優勝し県代表に選考された。

2人のチーム練習は7月末から再開。ただ、大会にはベテラン選手が全国から集い、多彩な戦術を用いた試合が予想される。「互いのコミュニケーションが(今まで以上に)大事になる」と村山さん。宮田さんも「コントロールとメンタルを強くしていきたい」と集中する。

練習では、ジャックボール(目標球)正面に相手のボールがぴたりとくっつく配置など、あらゆるケースを想定し対応した。どちらが先に投げるのか、どの角度で寄せるのかなどを2人で相談。協力して攻略法などを考え合った。

村山さんの支援員として大会競技でも付き添う白浜幸高さん(52)は「楽しむから始まったボッチャがチャレンジ、そして挑戦へと深まり、その喜びは多くの人に波及している。障スポを通していろいろな経験を培ってほしい」とエールを送る。練習を終えた宮田コーチも「自分の好きなことで輝けるんだ、チャンスは転がっていると2人が教えてくれた。(厳しい練習は続くが)笑顔で乗り越えてほしい」と願う。

夢の舞台まで2か月。2人は個人練習と週1回のチーム練習で大会に向かうが、競技人口の少ない奄美では実戦練習ができないといった課題も多い。それでも「ボッチャに出会い勉強に生かせるようになった。大会1位になるという夢もできた」と村山さん。宮田さんは「(試合に)勝てることも楽しいけど、うまくコントロールできた時が一番うれしい。2人で(戦術などを)勉強しながら頑張りたい」と前へ進む。