奄美市 新たな財源創設に着手

初会合を開いた世界自然遺産に関する新たな財源創設検討委員会

世界自然遺産活用  法定外税、協力金導入など
検討委が発足

奄美市は16日、奄美大島が有する世界自然遺産の価値の維持に向け、恒久的な財源確保を検討する諮問機関・世界自然遺産に関する新たな財源創設検討委員会(事務局・市世界自然遺産課)を発足させ、第1回会合を奄美市役所大会議室で開いた。委員らは、増加が見込まれる観光客など来島者らからの徴収を念頭に、新たな法定外税や協力金の導入などを幅広く検討する。今年度内をめどに提言をまとめ、市に答申する。

検討委は、昨年開催の奄美市公民会議・世界自然遺産活用プラットフォームの提言を受け設置。使い道を「世界自然遺産の活用」に限り、新たな財源導入について委員らが検討する。

導入例には、地方自治体が独自に作る環境税や燃料税、宿泊税といった「法定外税」の導入のほか、目的に応じて施策に充当する「協力金」の創設などが挙げられた。ただ、導入できれば新たな財源が確保できる一方、徴収方法や課税額といった課題もあり、公平で過度な負担にならないような幅広い議論が求められている。

委員は、行政や有識者、地元事業者から9人を選任。委員長には鹿児島大学法文学部学部長・教授の松田忠大氏、副委員長には諏訪哲郎奄美市副市長が就いた。任期は1年。状況に応じて2024年度以降の継続も想定している。

会合では、環境省や県職員をオブザーバーに招き、奄美大島5市町村の導入も視野に各担当者らも参加した。安田壮平奄美市長(代読)はあいさつで「観光振興が活性化し、行政事業が多様化するなど、今後も新たな事業が増えることが予想される。多くの人に魅力を知ってもらえるよう活発な議論を期待したい」と激励。委嘱状を受けた委員らは、活用が進む自治体の実例を学び、導入に向けての意見を交わした。

次回は11月20日。答申案などを協議していく。