奄美の事業者にも「事業承継マッチング支援」の活用をPRした日本政策金融公庫鹿児島支店の前田美幸支店長(28日、奄美新聞社で)
政府系金融機関・日本政策金融公庫鹿児島支店の前田美幸支店長兼農林水産事業統轄が27日奄美大島入りし、28日まで滞在した。初めて訪れた印象について「奄美は成長への変化を感じる」と述べ、小規模経営の高齢事業者などが後継者難によって廃業を選択することがないよう、若い人などにつなぐ機会となる「事業承継マッチング支援」の活用を呼び掛けた。
同支援は、後継者がいないことなどを理由に「事業を譲り渡したい」、創業や新分野進出などを目的に「事業を譲り受けたい」という両者の意向をつなぐ無料のサービス。同公庫のホームページに専用のサイトがあり、後継者を募集している企業掲載のほか、譲渡を希望する若い人の情報もデータベースによって把握できる。事業承継による成功事例も紹介している。
前田支店長は「全国の事例だが、学習塾や総菜店など地域に親しまれ、地域に欠かせない身近な事業がマッチング支援によって後継者が確保でき、継続された事例がある。日本公庫は全国に152の店舗があり、ネットワークを生かすことでニーズを掘り起こすことができる。奄美の魅力として観光や農業に若い人が着目しており、こうした人々が活躍できるよう後押ししていきたい」と語った。
27日には地元の金融機関(奄美大島信用金庫、奄美信用組合、奄美群島振興開発基金)と事業承継に関する連携協定を締結。地元の金融機関に相談することで日本公庫のマッチングサービスが利用できる。
鹿児島支店で初の女性支店長として今春の定期異動で着任。熊本県出身。1990年に当時の農林漁業金融公庫に入庫。全国の支店に勤めたが、熊本支店勤務時には鹿児島県の林業、水産業も担当したという。