奄美市「働き方セミナー」

採用力や職場環境の向上などのための取り組みを学んだセミナー参加者

業務細分化し人材確保
リクルートの宇佐川さん呼び掛け

奄美市内の企業などを対象とした同市の「働き方セミナー」が28日、同市のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。宿泊、観光、運輸、建設など市内11事業所の人事、雇用担当者ら12人が参加し、人材不足の解消に向けて採用力や職場環境の向上など企業の魅力度アップのための取り組みなどを学んだ。

セミナーは今年5月に人材雇用などの情報発信サービスを手掛ける㈱リクルート(本社・東京都)と同市が締結した「市内企業の求人情報の発信強化と人材確保・雇用促進に関する連携協定」に基づく取り組み。同社ジョブズリサーチセンター長の宇佐川邦子さんが労働人口の減少などにより、人材確保が難しくなっている社会状況などを分析。人材確保に必要な取り組みなどを説明した。

宇佐川さんは「人材がいないのではなく、働きたい人にうまくアプローチできていないだけ」などと話し、業務の見直しや細分化を進めることで、3~4時間の「プチ勤務」できる仕事の創出を提案。専業主婦や定年退職後のシニア層など多様な人材が活躍できる職場づくりを呼び掛けた。

また、「人材確保には採用と離職防止が必要。離職者が多いと、企業のイメージが低下、求人にも影響する」などと指摘。労働条件として賃金よりも勤務時間や休日数などの労働環境を重視する人が増えていることや、キャリアアップを求めて離職する人が多いことなどをデータなどで示し、「将来への不安から離職する人も多い。これまでの常識にとらわれない働き方を提案することが企業、職場の魅力につながる」などと話した。

セミナーでは、働きやすい職場づくりに取り組んでいる同市名瀬浦上町の㈱グリーンテックの取り組みも紹介された。建設工事などインフラ整備を行う同社は、土、日曜日を完全休日とし、有休を積極的に取得できるようにしたほか、社員のダブルワークを認めるなどしたことで昨年、20~50歳代の男女7人の新規採用につながった。

宇佐川さんは「安心して働き続けられる環境を上司自ら率先して示したことが新規採用につながった。人材確保が難しい建設業界で新たに7人を雇用できたことは素晴らしい」などと同社の取り組みを評価した。