与論町 田畑町長が所信表明

就任後初議会で所信を表明する田畑克夫町長(28日、与論町)

「オール与論でチャレンジ」

【沖永良部】与論町議会9月定例会が28日開会し、就任後初めての議会で所信表明演説を行った田畑克夫町長は「官民の別や年齢、性別等あらゆる立場の違いを越えて皆さんの意見や志を重ね、『想(む)いどぅ力』の理念の下に『オール与論』で未来へ大きくチャレンジし続ける島を目指したい」と語った。

演説では、基本方針として▽飛躍する島づくり▽安心して暮らせる仕組みづくり▽伝統と自然を次世代につなぐ地域づくり―の3点を掲げた。

その中で子育て分野では「島での子育てを地理的、社会的なハンディキャップによる負担と捉えず、前向きに受け止めることが可能な環境づくりに取り組む」と述べた。

産業分野では「持続的に稼ぐ島づくりに取り組む」とし、農林水産業においては島内産品の購買促進による自給率の向上及び域内経済の循環を図っていく考えを示した。観光においては「過度な観光消費による地域の荒廃を回避し、来訪客と住民との対等な交流を通じた持続可能な観光地域づくりの推進に取り組む」とした。

航路・航空路輸送における欠航・抜港・条件付き運航の対策では「町民の意見を幅広く聞き、施設管理者の県及び関係省庁、並びに輸送業者等と引き続き連携し、問題の背景にある要因の精査や航路・航空路それぞれの分野における対策に取り組んでいく」と説明した。

自然環境の保全では、農畜産業における廃棄物処理の適正化対策など環境保全型の産業活動への転換を支援していくとした。近年学術的な調査・研究が進んでいる与論城跡については「教育や観光等の分野とも連携した新たな資源としての活用にも取り組む」と述べた。