大島地区9月子牛競り

前回下回り下落幅拡大 総平均45万3千円
商品性高め「少しでも高値で」

 JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は29日、2023年9月の大島地区子牛競り市結果をまとめ公表した。子牛市況の総平均は45万3619円で、前回(7月)比4万3365円下落、下落幅は前回(2万3943円)よりさらに拡大した。3月市況から続く下落傾向に歯止めが掛からず、厳しい相場が続いている。

 9月競りは台風11号の影響でフェリーなどが欠航となったため、与論市場を8日に延期、3日にあった沖永良部市場の1日目の開始時間を変更して開催、8日終了した。全体の入場頭数は1880頭(雌818頭、去勢1062頭)で、全て売却。平均価格は雌39万7098円(前回比3万7902円安)、去勢49万7153円(同4万6704円安)といずれも下落した。

 合計平均価格にかかる市場ごとの順位をみると、奄美大島の45万8245円を筆頭に、与論、徳之島、沖永良部、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、沖永良部の1704円を筆頭に、喜界1680円、徳之島1672円、与論1666円、奄美大島1608円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界254日、沖永良部261日、徳之島268日、与論271日、奄美大島271日の順となっている。

 相場下落の要因について、同駐在は▽牛枝肉相場が軟調に推移▽資材高騰などにより飼育コストが高騰▽現在出荷している肥育素牛が高値であることから利益確保が難しくなっているため、なかなか高値で購買できない―などを挙げる。全国的に子牛相場は軟調に推移。肥育農家も牛枝肉相場は下がり飼料価格などは上がっているため、子牛導入価格を抑えるしかないのが現状という。

 今後の子牛相場について、同駐在は「牛枝肉相場や飼料高騰などの影響を受けて、軟調傾向が予想され、商品性によっては価格差が拡大するものと思われる」と予想。国の補助金が交付されても子牛生産農家は厳しい状況だが、同駐在は「日頃の管理をしっかり行い、商品性の高い子牛づくりに励み、少しでも高値で販売できるよう、また、自給粗飼料率の向上や分娩間隔の短縮などによる経費削減にも努めてほしい」と呼び掛けている。