福田原里研究所「島謡ぬ響き」

「誇らしゃ」を披露する演者ら(知名町あしびの郷・知名)

「いちきゃ節」を歌う福田原里さん(知名町あしびの郷・ちな)

門下生が沖永良部民謡の魅力を伝える
知名町で2回目の発表会

 【沖永良部】知名町の福田原里民謡研究所による発表会「島謡(しまうた)ぬ響き」(同実行委員会主催)が11日、同町あしびの郷・ちなであり、300人を超える観客を前に、門下生たちが沖永良部民謡の魅力を披露した。

 同研究所の福田原里さんは知名町出身の90歳。12歳の頃から沖永良部民謡を習い始め、現在も伝承者として多くの門下生を育てている。

 「島謡ぬ響き」は、3年前に開催を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期した。2005年に続き今回で2回目。

 実行委員長の西文男さんは「福田さんは、現在もシマ唄の継承のために先頭に立って尽力している。今回の舞台を通して、伝統文化の良さを目で見て、耳で聞き、心で感じてほしい」とあいさつした。

 舞台は「誇らしゃ」「新安里屋ユンタ」で幕開け。新人賞の門下生らが「永良部百合の花」「れんさー節」「十九の春」を熱唱し、優秀賞や最高賞、教師の資格者たちは「染なし節」「御酌節」「いちきゃ節」などを披露した。

 この日は、沖縄県の宮城武硯古典・民謡研究所や地元の西伊登子琉舞道場、正名次世代うどぅい保存会が友情出演し、イベントに花を添えた。

 福田さんは、歌い慣れた「アンチャメグヮ節」「いちきゃ節」を味わい深く歌い上げ、観客も静かに聴き入っていた。

 最後は、全演者による「サイサイ節」の総踊りで締めた。

 福田さんは「長い間民謡を教えてきたが、私自身足りないところがあるし、門下生にも教えたいことがたくさんある。これからも頑張っていきたい」と話した。