自転車で街中の魅力発信へ

自転車で市内を巡り、ガイドを実践する受講者たち

奄美市でガイド養成講座
8人受講、ツアー案内の心得学ぶ

 自転車を使ったツアーのガイドリーダーを育てる「サイクルナビゲーター養成講座」(県サイクルツーリズム推進協議会主催)が16、17日の2日間、奄美市名瀬の市街地であった。ガイドを目指す観光業者やサイクルショップで働く8人が受講し、座学やフィールド実習を実施。街中で集団を安全に引率し、魅力的に案内するガイドの心得を学んだ。

 地域の魅力を発信するサイクリングガイドの育成を目的に、島の活性化につながればと県が企画。事業運営は東京都のANAあきんど㈱に委託。講師は、長野県でまちづくりサイクルアドバイザーを務める自転車冒険家の小口良平さんが担当した。

 2日目の座学では、野外での救急法やリスクマネージメント、メカニックスキルなどを学んだ。携帯すべき救命道具も確認した。

 フィールドでは、奄美市名瀬の朝仁町から大熊展望広場までを往復する3時間のコースをeバイクで巡った。受講者らは人の営みや街の息吹を感じながら市街地を疾走。安全を第一に心掛けながら、アクティブに集団を先導し案内した。

 瀬戸内町でエコツアーガイドを手掛ける海風舎代表の國宗弓穂さん(58)は「きつい地形も意外と楽で、街を楽しむにはいいツール。歩きだと訪れる場所も限られるけど、自転車だとコースも広めに考えられる。ガイド仲間と相談しながら可能性を探ってみたい」と期待を込めた。

 講師の小口さんは「奄美のアクティビティといえば自然や海に目を奪われがちだが、街中の文化を求めている人も多い。1人ではモチベーションにつながらないこともあるが、受講した8人がネットワークを築きながら、新たなコンテンツとして日常化させてほしい」と話した。