奄美市で18年ぶり県市長会

約18年ぶりに奄美市で開催された県市長会

能登半島地震支援で連携
知事選控え、マニフェスト要望も

県市長会(会長=本坊輝雄・南さつま市長)は10日、奄美市名瀬の奄美山羊島ホテルで2023年度第3回定例会を開き、24年度事業計画と収支予算、市長会選出各種団体役員の選任案の議案3件を原案可決した。各市長からは1日に発生した能登半島地震への支援に向けた協力や情報の共有と災害に備えた連携協定の必要性などについて意見が相次いだ。また、今夏に予定される県知事選への出馬を表明している塩田康一知事に対し、マニフェストに市長会の要望を反映させるよう求める意見もあった。

県市長会が同市で開催されるのは、2006年8月以来、約18年ぶり。当初は昨年8月に奄美群島の日本復帰70周年に合わせて開催予定だったが、台風の影響で中止となっていた。

この日の定例会には県内19市の市長らが出席。冒頭、本坊会長が能登半島地震の犠牲者の冥福を祈り、市長会として被災者支援に協力して取り組む考えなどを述べた。また、開催地を代表し安田壮平市長は「奄美に来ていただき感謝申し上げます」などと歓迎した。

24年度事業計画では、鹿児島市(4月)、いちき串木野市(8月)、伊佐市(来年1月)で計3回の定例会を開催することなどを決定。市長会で議決した要望事項実現のため、県や中央省庁及び県関係国会議員への要望活動を実施することなどを確認した。

意見交換では、西之表市の八坂俊輔市長が、ドクターヘリの運航体制について、夜間運航の実施など離島医療体制の改善を市長会として県に要望することなどを求めたほか、乳幼児などの医療費助成について、償還払い(後払い)方式から窓口負担のない現物支給方式への変更を求める意見が相次いだ。

市長会は11日、同市名瀬のコワーキングスペース「奄美市ワークスタイルラボInno」や同市笠利町の県奄美パークと田中一村記念美術館の行政視察などを行う。