角川さんに法務大臣賞、県最優秀賞を伝達

角川凛さん(北中2年)への「法務大臣賞」と「県最優秀賞」伝達式=11日、天城町役場

社会を明るくする運動作文コン
天城町

 【徳之島】法務省主唱の第73回「社会を明るくする運動」作文コンテストの中学生の部で、法務大臣賞(全国最優秀賞)と県最優秀賞に輝いた天城町立北中学校2年の角川(かくがわ)凛さん(14)への両賞伝達式が11日、同町役場であった。鹿児島保護観察所や県保護司会連合会の代表、地元町長ら関係者が快挙をたたえた。

 「犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ」などをテーマに昨年7月1日~同31日に展開した同全国運動に併せて作文を募集。31回目の今回は全国から計30万6032点(小学生12万7880点、中学生17万8422点)、うち前段の県内審査には629点(小学生177点、中学生452点)の応募があった。角川さんの作品は県最優秀賞を射止め全国に駒を進めた。

 角川さんは一昨年4月、東京都日野市から同町内に家族で移住した山海留学生の1人。作品題は「明るい社会にするために」。小説『15歳のテロリスト』(松村涼哉著)の一文、犯罪を犯して更正を目指していた人間の気持ちを断ち切らせた過去を批判する言葉を引用。犯罪は悪いが、加害者にも被害者と同じように、苦しみや悲しみ、そうならざるを得ない境遇や育ちがあること。心の奥深く、本当の気持ちを見ていかない限り、根本的な解決にはならないこと―などへの気づきを訴えた。

 そして、東京とは違った徳之島の小さな集落での季節を通した多くの行事や時間の共有を通した「地域とのつながり」。「集落の大人は『他人の子も我が子のように育てる』。徳之島の人は互いに見守っている」など島への思いも綴った。

 法務大臣賞の表彰式は先月22日に東京都内の同本省であり、角川さんは母ちひろさんと臨んだ。天城町役場で開いた伝達式では、法務大臣賞を森田弘光町長が、県最優秀賞は佐藤好行・鹿児島保護観察所長がそれぞれ伝達。両氏や岩崎昌弘・県保護司連合会長が祝辞を述べ、中学生の部全国トップを射止めたその感性と快挙をたたえた。

 角川さんは「私はこれからも、人の表には見えない、心の奥深い思いに気づける人でありたい」と感謝。「みんなが笑顔になる社会にするため、これからも人とのつながりを大切にしていきたい」と笑顔で話した。