沖永良部でバスの乗り方講習会

バスに乗車する参加者ら(和泊町)

 

完成した「やさしい島生活ガイド 沖永良部島の暮らし方」の表紙

 

 

外国人の困り事なくそう
「やさしい島生活ガイド」完成

 

 

 【沖永良部】島に住む外国人を対象にした「バスの乗り方講習会」が14日、島内であった。和泊町で働くインドネシア人5人と島内の若者で組織された地域活性化団体「シマスキ」のメンバー6人が参加し、外国人の困り事を解消するために制作したガイド本「やさしい島生活ガイド 沖永良部島の暮らし方」を見ながら、バスで島内を巡った。

 合同会社オトナキが主催。同社は、昨年5月に「やさしい島生活ガイド制作協議会」を立ち上げ、島に住む外国人に役立つガイド本の制作を沖永良部2町と合同で進めてきた。今回、完成したガイド本のお披露目に合わせ、制作時に行ったアンケート調査で、島に住む外国人の多くが困り事に挙げた「バスの乗り方」について講習会を開催した。

 ガイド本はB5版フルカラーで全24ページ。バスの乗り方やごみの捨て方、台風対策など島の生活情報を掲載している。ひらがなを多く使い、文章は短くするなど、外国人が日本語を学習しやすいよう工夫を凝らした。700部を作り、島で生活する外国人に配布する。今月12日にPDF版を両町ホームページに公開している。事業は、自治体国際化協会(CLAIR)の「多文化共生まちづくり促進事業」を活用した。

 この日は、和泊町役場から知名町のおきのえらぶ島観光協会エラブココまでバスで移動。到着した参加者らは、不用品を加工して価値の高いものを作る「アップサイクル」体験を楽しみ、プラスチックごみからキーホルダーを作った。作業中は、はやりのスポーツや趣味などの話題で盛り上がった。

 約1年半前から島で生活するインドネシア出身のアンギさん(21)は「これからは1人でもバスに乗れそう。みんなと楽しく交流できた」と笑顔を見せた。
 合同会社オトナキ代表の水嶋健さん(39)は「これからは外国人と日本人が触れ合う機会を増やしていきたい。困った時に頼れる人が近くにいれば、外国の人も安心するし、生活の不便をなくすことにもつながるだろう」と語った。