「ほこらしゃ奄美音楽祭」

プロ演奏家と奄美オーケストラの共演も行われた(11日、奄美川商ホール)

 

クラシックとシマ唄融合
奄美オーケストラも共演

 

 

 奄美伝統のシマ唄とオーケストラが融合し、音楽に新たな世界観が生まれた。「第2回ほこらしゃ奄美音楽祭」(同実行委員会主催)は11日、奄美市名瀬の奄美川商ホール(奄美文化センター)であった。島を代表する唄者たちが、管弦楽の演奏をバックに情感を込めたシマ唄を歌い上げ、会場を埋めた大観衆を感動の渦に包み込んだ。

 同音楽祭は、文化庁の文化芸術創造拠点事業として2023年に初開催。島独自の観光資源、振興策とすることを目的としている。県出身の作曲・編曲家、吉俣良さんが昨年に引き続き総合プロデューサーを務めた。

 オープニングは、吉俣さんが手掛けたNHKの大河ドラマ「篤姫」のメインテーマ。プロの演奏家46人で構成するほこらしゃ奄美管弦楽団が、ビゼーやドボルザークなどクラシックの名曲を次々と演奏し、観客を魅了していった。

 第1部の最後では、地元の奄美オーケストラのメンバーも加わり、プロと共演する演出もあった。

 第2部は、西和美さん、平田まりなさんによるシマ唄で構成。平田さんは、和太鼓とのコラボレーションに挑戦し、サンシンを弾きながら「祝いつけ・天地一指」などを歌い、会場を一気に奄美ムードに変えた。

 第3部では、吉俣さんが編曲したオーケストラ演奏とシマ唄が融合。管弦楽団をバックに、前山真吾さんが「しゅんかね節」、中尾聖子さんが「やちゃ坊節」、元ちとせさんが「豊年節」を歌い上げた。エンディングの六調では、ステージと会場が一体となって踊った。

 奄美市から訪れた長井聖子さん(55)は「オケをバックにしたシマ唄を聴くのは初めて。斬新」と満足そうに会場を後にした。