公証人が「終活」研修会

公正証書遺言などの有用性について語る馬場潤さん(21日、アマホームPLAZA)

公正証書で遺言を
認知症の備えは任意後見契約で

 自らの財産をいかに未来に引き継ぐか―。認知症の罹患(りかん)などに備え、公正証書による任意後見契約や遺言作成について学ぶ「市民向け研修会」(奄美市・宇検村・大和村・奄美市社会福祉協議会主催)が21日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。名瀬公証人役場の公証人・馬場潤さん(63)が、公正証書の優位性や利点について講演。住民など約120人が参加、高齢化社会の根深い問題への関心の高さをうかがわせた。

 公正証書とは、法律の専門家である公証人が作成する公文書。賃貸借などの契約では高い証拠力を持ち、裁判での判決を経ることなく強制執行することができる。近年は、財産の管理や分与などで利用する人が増えているという。

 「認知症などで判断能力が落ちると、銀行口座の入出金ができなくなり、介護施設への入所などの契約などもできなくなる。そうなってからの対策では、弁護士費用など時間と費用が掛かってしまうことが多い」と馬場さん。

 公正証書について「判決文と同様の効果を持つ」と話し、判断力があるうちに任意後見契約を結び、公正証書遺言を残すことで、長年築いてきた財産の維持・管理に先見性をつけておくことを推奨した。

 馬場さんは、「うちの子どもたちは仲がいいから自分が死んでも大丈夫、といった安易な考え方が禍根を残すケースは後を絶たない」と言い、奄美群島でも年間100件を取り扱っていると話した。

 4月から義務化される家屋・土地などの相続登記や、不動産の家族信託契約についても説明した。

 大和村から訪れた70代男性は、「都会に行った子どもたちが家屋や土地を継ぐ気がないと言っている。何が最善な方法かを考えたい」と話した。