活動を報告する奄美黒糖焼酎海外販路拡大ワーキンググループ
日本貿易振興機構(JETRO=ジェトロ)鹿児島、県酒造組合奄美支部、奄美群島広域事務組合でつくる「奄美黒糖焼酎海外販路拡大ワーキンググループ(WG)」の最終報告会が22日、奄美市名瀬の本場奄美大島紬会館であった。米国に派遣の蔵元らが活動を報告し、3年間の成果を総括。「世界が焼酎に追いついてきた。これまでの活動をベースに、一丸となって販路拡大に取り組んでいこう」と手応えを示した。
WGは、奄美黒糖焼酎の海外での認知度向上や販路拡大、蔵元の人材育成などを目的に2021年に発足。群島内の蔵元10社が参加し、海外でのイベント出展や商談を中心に、バーチャル産地視察やバイヤー招へいにも取り組んできた。
最終年度の23年度は、米ロサンゼルス(LA)にメンバーを派遣し、ジェトロや日系レストラン協会主催のイベントに参加した。米系酒販店ではテストマーケティングを兼ねた試飲会も開いた。
イベントをコーディネートしたLA焼酎会の愛場美和代表は「認知度は以前より高くなってきている」と評価した上で、▽商談窓口の確保▽競合との差別化(ブランディング)▽規制対応―といった課題も指摘。体験を重視し、社会貢献や環境問題に関心の高いZ世代をターゲットに、「Z世代は常に新しい情報を求めている。SNSで発信しながら体験型プロモーションで効果を高めてほしい」などと訴えた。
輸出状況をテーマにした蔵元の意見交換では「ニューヨークで増え、ドイツで梅酒が人気など、焼酎をビジネスと捉える人は増えている」「国内の需要はこれからも減っていく。海外を頭に置いて長期スパンで取り組むべき」「売り方に苦労する代理店も多い。蒸留酒を売る現場に取り入った方が早い」といった声も出た。WGリーダーの泊浩伸奄美大島開運酒造常務取締役は「活動を通して前向きな話もいっぱい出ている。輸出拡大しながら実績を残すことが重要。5年10年後を目指して頑張っていこう」と呼び掛けた。